巨人を引退する阿部慎之助に密着したドキュメンタリー。普段見られない球場の選手関係部門の映像が珍しかった<誰も知らなかった巨人の真実>(日本テレビ)

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筆者は筋金入りのアンチ巨人である。今はそうでもないが、以前の、他球団のスター選手を金にあかせて引き抜いてくる体質が嫌いで、新聞も読売や報知は絶対に読まなかった。今でも巨人が負けるとバンザイをするくらい、アンチ「巨人、大鵬、卵焼き」体質だ。

しかし、何故か阿部慎之助は嫌いでない。彼の太めの体形にユーモアがあること、頭がいいキャッチャーだったに違いないのに、威張らないこと。監督の原辰徳のセコさに比べて、悠揚迫らぬ大らかさがありそうなこと。要するに巨人と名の付くものはすべて嫌いだったのに、阿部慎之助だけが枠外だったのである。不思議ぃ―だ。

その慎之助の引退前後に密着したドキュメントを見た。何が珍しかったと言って、東京ドーム球場の巨人の控室や、練習室や、ダッグアウトから球場に選手が出てゆく場面を、人間のおでこや腹などにつけたカメラで撮っている映像が、まことに面白かったのである。さすがに④チャン。こういう特別撮影をさせてくれるんだナ。

日本シリーズで、ソフトバンクにコテンパンにやられて負けた最後に、慎之助が屈辱の凡打に終わった場面も撮っている。引退する彼が選手たちの前で挨拶するシーンでも、涙はない。次のポストの心配がないとはいえ現代っ子はクールだ。長嶋茂雄が試合を見に来たついでに選手たちと会う場面があった。足をひきずっており、大きく口を開いて喋っているのに言語不明瞭。痛々しい姿に絶句した。(放送2019年11月23日10時30分~)

(黄蘭)