鎮魂への「祈」、バチカンに寄贈 ダウン症の書家金澤さん

東京ドームで行われたミサに招かれた金澤翔子さん(左)と母親の泰子さん

 ローマ教皇(法王)の来日に合わせ、ダウン症の書家金澤翔子さん(34)が「祈」の文字を揮毫(きごう)し、在日大使館(東京都)を通じてバチカンに寄贈した。縦187センチ、横103センチの作品に、世界平和と東日本大震災や台風などの犠牲者への鎮魂の祈りを込めた。

 教皇との面会はかなわなかったが、「とても光栄です」と金澤さん。25日には東京ドームで行われたミサに招かれ、プレゼントされたキリスト教の聖具「ロザリオ」を握りしめて祈っていたという。母親の泰子さん(75)は「翔子の一番好きな文字。思いが届くように、強く祈っていたんでしょう」と話した。

 金澤さんは国内外で活躍し、2020年東京五輪・パラリンピック公式ポスターの制作アーティストに選ばれている。県が策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の題字も揮毫した。

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