年末の日韓首脳会談に注目 共同通信・磐村氏が長崎で講演

磐村氏が講演した長崎新聞政経懇話会11月例会=長崎新聞文化ホール・アストピア

 長崎新聞政経懇話会11月例会は25日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアで開き、共同通信社編集委員兼論説委員の磐村和哉氏が「日韓関係の現住所、そして今後」と題し講演した。
 韓国政府は22日、日本政府に破棄を通告していた日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)を当分維持すると発表。土壇場で失効が回避された背景について磐村氏は「ジーソミアはそもそも米国が日韓に働き掛けて締結した協定。失効期限が迫ってくると、米国は、韓国に対し米軍駐留費の負担額の5倍超の増額要求をするなど強力に圧力をかけた。それによって、韓国は協定破棄は米韓同盟を揺るがしかねない深刻な事態だと気付いた」と説明した。
 ただ日韓間には、元徴用工訴訟問題や輸出管理、韓国艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などがあり、韓国人訪日客の激減など民間交流への影響も続いている。「12月下旬、中国・成都で開く方向で調整されている日韓首脳会談で(日韓関係の)絡まり合った糸をほぐすような方向性が打ち出せるか、注目される」と述べた。
 磐村氏は1984年共同通信社入社。ソウル支局や中国総局に赴任したほか、平壌(ピョンヤン)支局長などを務め、朝鮮半島問題に精通している。
 佐世保会場は26日午前11時半から佐世保市常盤町の富士国際ホテルで開く。

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