「食」テーマに貝の生態に迫る 真鶴の博物館で特別展

「食」をテーマにさまざまな貝が並ぶ特別展=真鶴町真鶴

 「食」をテーマに貝の生態などを紹介する特別展が真鶴町立遠藤貝類博物館(神奈川県真鶴町真鶴)で開かれている。「貝を食べる」「貝が食べる」の二つの側面から捉え、標本やパネルで説明している。27日まで。

 同町初代教育長などを務めた貝類研究家・遠藤晴雄さん(1915~2006年)のコレクション約5万点を所蔵する同館。来場者から「この貝は食べられるのか」といった質問が多く寄せられるといい、今回の展示を企画した。

 「貝を食べる」のコーナーには、サザエやトコブシのような知られた貝からギンタカハマ、クマノコガイなど市場に広く流通しないものまで、同町で採取された貝を中心に約60種類が並ぶ。パネルでは「日本全国の沿岸で海藻が消失する磯焼けが深刻化してアワビなどが減少し、漁業は大きな打撃を受ける」と、昨今の環境問題も解説している。

 「貝が食べる」では、アサリなど二枚貝の多くはプランクトンや有機物を海水とともに取り込み、ろ過した水を放出するなどの生態を説明。また、イモガイ類は舌が変化した毒矢を持ち、魚も獲物にしていることや刺されると人間でも命の危険があることを伝えている。

 午前9時半から午後4時半まで。入館料は大人300円など。問い合わせは、同館電話0465(68)2111。

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