差別根絶条例を提案 共生へ「市民の総意で」川崎市長

川崎市が市議会に提出した条例の案文

 川崎市の福田紀彦市長は25日、ヘイトスピーチに刑事罰を科す「差別のない人権尊重のまちづくり条例案」を市議会に提出した。本会議の代表質問、文教常任委員会の審議を経て、順調にいけば12月12日に本会議で採決を迎える。

 第5回定例会初日の提案説明に立った福田市長は「全ての市民が不当な差別を受けることなく個人として尊重され、生き生きと暮らせる人権尊重のまちづくりの推進を図るため」と条例の目的を説明した。

 24条からなる条例案では人種や性的指向、出身、障害などを理由にしたあらゆる差別的取り扱いを禁止。とりわけ被害が深刻な外国にルーツを持つ人に対するヘイトスピーチについては3回繰り返した人物・団体に最高50万円の罰金を科す。成立すればヘイトスピーチに刑事罰を設けた全国初の条例となる。

 福田市長は「引き続き議会と丁寧に議論を深め、市民の総意による制定に向けて取り組む」と全会一致による成立へ改めて意欲を示した。

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