「ヤンキー先生」半生振り返る 義家氏が少年院で講演

多摩少年院で講演する義家法務副大臣=25日午後、東京都八王子市

 義家弘介法務副大臣(衆院神奈川16区)は25日、東京都八王子市の多摩少年院で講演し、「ヤンキー先生」としてドラマ化もされた半生を振り返った。入所中の少年約90人に「皆さんの更生と社会での活躍は夢。それぞれの夢から逃げず、かけがえのない人生を歩み続けてほしい」と呼び掛けた。

 義家氏は幼少期に両親が離婚し、父親や周囲の大人への抵抗感から「中学に入学する頃には不良と呼ばれるようになった」と自身の生い立ちを説明。高校退学後、面倒を見てくれた里親や不登校生を受け入れる私立高の担任が「人生を変える出会いになった」と振り返り、「少年時代に多くの失敗や過ちを繰り返し、そのたびに心ある人たちの指導と支えでやっと生きてきた」と打ち明けた。高校教師、国会議員になるまでの歩みを紹介し、夢を追い掛ける大切さを強調した。

 講演後は、非行傾向の変化や職員確保策などについて、現場の法務教官と意見交換した。義家氏は記者団に「彼らがまだ何者にもなれるということを伝えたかった。社会に出たとき、諦めずに挑戦していこうと思う小さな力になれたら幸せだ」と語った。法務省によると、同省の大臣や副大臣が少年院で講演するのは初めてという。

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