東カリマンタンはインドネシアにおける液化石炭の際立った投資先

東カリマンタンはインドネシアにおける液化石炭の際立った投資先

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【サマリンダ(東カリマンタン州、インドネシア)2019年11月26日アンタラ通信=共同通信JBN)】インドネシアは石炭の生産と輸出で世界をリードする国の1つである。インドネシアの生産能力は、10メトリックトン(mt)を採掘できたにすぎなかった1990年代から上昇を続け、2018年には石炭生産が528mtに達した。南カリマンタンに加え、東カリマンタンも強力な石炭生産地である。

石炭の生産量が豊富なことから、東カリマンタン州政府は石炭の派生製品の1つである液化石炭の開発に積極的である。液化石炭は石炭を基にした液化炭化水素で、液体燃料ならびに石油化学製品に転換できる。

東カリマンタン州エネルギー鉱物資源省の鉱物石炭局(Mineral and Coal Department of Ministry of Mineral Resources and Energy East Kalimantan)責任者、バイハキ・ハザミ氏は、同州政府が積極的に実施する石炭の液化は、輸出される石炭が依然として原料として、あるいは単にエネルギー源として使用されている事実によって推進されていると述べた。

バイハキ・ハザミ氏は「石炭は、その内容物を基礎にして、ガス化や液体化のプロセスを通して新エネルギー源へと処理できる。もちろん、処理された石炭はより大きな価値がある」と述べた。

同氏は引き続き、石炭の派生製品である炭層メタン(CBM)について言及した。CBMは多くの産業や家庭で広く使用され、発電所の燃料としてさえ開発されている。

同氏の望みは、インドネシアの首都が東カリマンタンに移転されることで、石炭産業、とりわけ石炭液化がさらに発展し、いずれはインドネシア経済にさらなる貢献を果たすことである。

同氏は「この国の首都移転に備え、われわれの州は地場産業、特に石炭産業を最適化するためのあらゆる準備をしている」と述べた。

▽輸出先の拡大
米中貿易戦争はインドネシアの石炭輸出量に負の影響を間接的に及ぼしている。東カリマンタンの石炭産出量は868万440.90メトリックトン(mt)だった2018年6月から、2019年6月現在には778万8553.77mtに減少した。この現象は外的要因、すなわち米中貿易戦争の影響によるものと推測されている。

東カリマンタン州政府はさらなる影響に先んじて、国内市場の強化を継続しながらインドや東南アジア数カ国など、輸出先として他の国々に狙いを定めようとしている。

インドネシア銀行東カリマンタン支所の代表責任者、ツツク・SH・カヒョノ氏は、2019年第3四半期における東カリマンタンの経済減速は、石炭商品へのニーズが低下を始めた外的要因によるものと認めた。

同氏は「中国政府は2019年7月現在に輸入制限を実施した。それは2019年末まで、石油の輸入目標を、その制限目標に合わせるというものだ」と述べた。

この中国の動向は明らかに、国際市場における中国産石炭の価格が下落を続ける中、競争力を失いつつある中国国内の石炭販売を支えようというものである。

同氏は「石炭セクターは減速しているものの、2019年末までに建設が完了する政府プロジェクトの目標達成に向け、建設セクターは再び上昇すると思われる」と結んだ。

ソース:Provincial Government of East Kalimantan