横浜・MMのロープウエー、照明は石井幹子さん 20年度末開業

高さ25メートルの視点から見た「ヨコハマ・エア・キャビン」の完成予想図(横浜市提供)

 横浜・みなとみらい21(MM21)新港地区とJR桜木町駅前を空中で結ぶロープウエー整備計画で、駅舎や支柱、ゴンドラのライトアップを世界的な照明デザイナー石井幹子さん(81)がプロデュースすることが26日、分かった。事業者は「夜間の魅力アップと集客向上の一助となりたい」と新たな横浜の夜間景観の創出を目指す。

 一方、当初は2020年の東京五輪・パラリンピック前の開業を目指したが、資材調達や工期に時間がかかるなどとして同年度末にずれ込むとしている。

 計画中のロープウエー「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」による景観問題を検討する横浜市長の諮問機関「市都市美対策審議会」の部会が同日、市内で開かれ、事業者の泉陽興業(大阪市)が明らかにした。

 石井さんは照明で空間をデザインし、環境を活性化させることを提唱。東京タワーや姫路城、横浜ベイブリッジなどのライトアップを手掛けている。同社の担当者は部会で「周辺施設との調和や住宅に配慮し、まぶしいものや華美な照明は導入しない」と説明した。

 計画では、運河パークと桜木町駅前の両サイドに、鉄骨2階建ての駅舎を設ける。海上の遊歩道「汽車道」の南側に沿って全長約630メートルに支柱を地上に2基(高さ約10メートル)、海上に4基(約30~40メートル)それぞれ建てる。ゴンドラの定員は8人で、空中の乗車時間は片道2~3分程度。

 同社はMM21地区の遊園地「よこはまコスモワールド」も運営しており、設置や運営にかかる費用は同社が負担する。ロープウエーの建設をめぐり、近隣の一部事業者などからは景観へ影響を懸念する声もある。

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