清川豚ソーセージが金賞 「日本版」食肉加工品コンテスト

金賞に選ばれた「清川恵水ポークのあらびきソーセージ」(松田さん提供)

 神奈川県清川村のブランド豚「清川恵水(めぐみ)ポーク」を使った粗びきソーセージが、本場ドイツの業界団体が主催した食肉加工品のコンテストで金賞に選ばれた。開発・製造したのは、清川村への移住者でつくる「地域おこし協力隊」の松田桂一さん(58)。25日に都内で開かれた授賞式で、松田さんは「継続して品質を維持・向上していけるよう、努力したい」と今後に意欲を示した。

 粗びきソーセージは、恵水ポークの赤身と脂身を独自の比率で混ぜ合わせ、ミンチにしているのが特徴。松田さんが腸詰めまでの作業を全て担っている。村が3月に煤ケ谷地区に整備した「ローカルイノベーション拠点施設」の特産物開発研究室を使い、商品化した。

 コンテストは本来、ドイツで3年ごとに開かれる食肉産業の国際見本市「IFFA」で開かれている。だが、日本国内で豚コレラ(CSF)の感染が拡大。食肉加工品の輸出入が規制されたため、日本勢が出品できず、その救済措置として“日本版”に当たる「IFFA日本食肉加工コンテスト」として初めて開催されることに。国内からは大手メーカーを含む80の企業や団体が出品した。

 松田さんは応募に当たり、商品を見直し、「大きさや均一性が取れているかなど評価点に配慮しつつ、食味に優れる豚肉の素材の良さをどう引き出すかに取り組んだ」。来日したマイスターらが審査し、540アイテムの中から松田さんの粗びきソーセージが金賞の一つに選ばれた。

 都内で開かれた授賞式には、岩澤吉美村長も出席し、「村が施設を整備した中で現場も懸命に取り組んでくれ、成果が表れた。村に良い刺激を与えてくれている」と喜んだ。審査を担当したドイツ食肉連合会の幹部は出品された日本の製品について「減塩など、日本人の好みに合わせた加工技術の高さに驚いた」と評した。

 粗びきソーセージは、ローカルイノベーション拠点施設の一角にあるカフェレストラン「トラットリア・ベル・パエーゼ・キヨカワ『四季~クワトロ~』」で、1皿600円で食べられる。

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