ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『コロラド』 こんな世界にしてしまった自分の世代を懺悔する

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『コロラド』

 12年の『サイケデリック・ピル』以来7年ぶりのクレイジー・ホースとの最新作です。69年ソロ・アルバム『ニール・ヤング』で結成されたクレイジー・ホースは、バックバンドというより彼のバックボーンといえる存在。近作でのソロやプロミス・オブ・ザ・リアルとのコラボ作品とは違った重みを感じます。特に今作では50年ぶりにギターのニルス・ロフグレンが参加、ある意味ニールのライフ・ワークとも言える作品になっています。

 今作品でニールが発信するメッセージはこれまでのように外に向かって訴えるのではなく、こんな世界にしてしまった同世代、自分自身に対する懺悔とも言えるもの。13分半に及ぶ「シー・ショウド・ミー・ラヴ」では“年老いた白人連中が母なる自然を殺そうとしているのを俺はみた、若者たちが自然を救おうと戦う姿を俺は見た”と歌い、「レインボウ・オブ・カラーズ」では“昔のアメリカには虹のように様々な色があった、白一色に塗りつぶすことはできない”“兄弟、姉妹がこれからも一緒に歌うはずだ”と残された世代に希望をたくします。

(ワーナー・ミュージック・2500円+税)=北澤孝

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