秋吉敏子&ルー・タバキン『The Eternal Duo!』 和の文化がいかにジャズと融合するかを聴かせる

秋吉敏子&ルー・タバキン『The Eternal Duo!』

 秋吉敏子とルー・タバキンが結婚し、トシコ=タバキン・ビッグ・バンドをスタートしてからのキャリア50周年を記念し、2018年秋、東京文化会館小ホールで行われたコンサート「The Eternal Duo!」のライヴ盤です。世界で活躍する女性ジャズ・ピアニストと言えば上原ひろみが思い浮かびますが、50歳違いの二人には共通点があります。秋吉は53年来日したオスカー・ピーターソンに、上原は95年来日したチック・コリアに認められ共にボストンのバークリー音楽院で作曲を学び、ジャズのルーツがない日本人に世界に通用するジャズが出来るか挑戦したのです。秋吉はそれをなし遂げた先駆者でした。

 彼女のテーマソングとも言える「ロング・イエロー・ロード」では黄色人種というアイデンディティーを、「花魁譚」では日本美を音で表現、エリントンに捧げた「ユーロジー」では日本の音階とブルーノートを繋げました。和の文化がいかにジャズに融合されるのか、彼女のピアノとルーのサックス&フルートの絶妙なインタープレイで聴かせてくれます。

(ソニー・ミュージック・2CD+Blu-ray・6300円+税)=北澤孝

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