がんゲノム医療の現状紹介

製鉄記念室蘭病院セミナー・最適な薬、治療法探る

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がんゲノム医療の現状などに理解を深めた北海道がん医療人材育成セミナー

 道内のがん医療の充実に向けて、がん医療を担う人材と次世代のがんゲノム医療研究者の養成を目的にした「北海道がん医療人材育成セミナー」が、室蘭市知利別町の製鉄記念室蘭病院で開かれた。がん医療に携わる同病院や西胆振医療圏の関係者らが、がん患者の遺伝子情報を調べて最適な薬や治療法を探る「がんゲノム医療」の現状などに理解を深めた。

 札幌医大、北大、旭川医大、北海道医療大学で構成する「がん専門医療人材養成ボード」の主催。「人と医を紡ぐ北海道がん医療人養成プラン」に基づき、地域や専門職、臓器(がん種)など、包括的にがん医療を担う人材育成と次世代のがんゲノム医療研究者養成などを目的にしている。

 セミナーは11月1日に開かれ、医師や看護師、薬剤師、診療放射線技師などの医療関係者約100人が出席。北大大学院医学研究院の大原克仁特任助教が「がん遺伝子パネル検査とがんゲノム医療」について解説した。

 「がんゲノム医療」に必要な「遺伝子パネル検査」は、今年6月から公的医療保険の適用対象となった。また、(1)検査や結果の分析ができる「がんゲノム医療中核拠点病院」は北大など全国11施設(2)がんゲノム医療を提供する機能がある「がんゲノム医療拠点病院」は北海道がんセンターなど全国34医療機関―がそれぞれ指定されている現状だ。

 大原特任助教は、北大では、がん遺伝子診断部を中心に病理部、臨床遺伝子診療部、がん相談支援センター、臨床研究開発センター、医学研究院、情報科学研究科などが連携。道内唯一の中核拠点病院として連携病院とも協力し、「オール北海道体制でがんゲノム医療を推進する現状」などを紹介した。

 さらに、がん遺伝子診断外来の受診が3回必要となることや、「オンコパネルシステム」や「がんゲノムプロファイル」と呼ばれる種別の検査は、費用(56万円)の1~3割が自己負担だが、高額療養費制度の対象となることなども説明。「がんゲノム医療の幕開けを迎えており、北大では週4回外来診療の体制を取っている」などと話した。

 また、北大大学院医学研究院の西岡健太郎特任助教は「ライフステージに応じた最新放射線治療」をテーマに講演。多職種間の治療方針決定のプロセスやチーム医療の重要性を認識する「キャンサーボード」も開かれ、参加者は肺がんや膵臓(すいぞう)がんの症例を通じて、治療方針などについての検討や意見交換なども行った。
(松岡秀宜)