今夏の参院選長崎選挙区 18、19歳 投票率27.18% 国政で最低 全国を下回る

 今夏の参院選長崎選挙区で、18、19歳の投票率(抽出調査)は27.18%と、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた2016年6月以降、国政選挙で最低だったことが分かった。18歳選挙権が国政選挙に初適用された前回2016年参院選の長崎選挙区抽出調査(39.20%)と比べ、12.02ポイント低い。長崎県選管は「進学などで住民票を移さないまま転居する若者が多いことに加え、期日前投票期間を含め悪天候が続いたことや、政治への関心の低さが影響しているのでは」と分析。未成年者の政治参加意識向上や主権者教育などに引き続き力を入れる。

 長崎県選管によると、18、19歳の投票率(抽出調査)は2017年衆院選小選挙区が42.56%、18年知事選は29.02%。一方、総務省によると、今回参院選選挙区の18、19歳の全国での投票率は31.33%で、前回(全数調査)から15.45ポイント下がった。

 同省が2016年に実施した全国アンケートによると、18、19歳の有権者が投票に行かなかった理由は、「住んでいる市区町村で投票することができなかったから」が22%で最多。住民票を移さないまま、進学などで転居する若者が多いことが背景にあり、「関心がない」19%、「面倒」16%を上回った。

 長崎県選管は市町選管や県教委などと連携し、2017年度から3カ年計画で、県内全ての高校と特別支援学校で選挙の出前講座に取り組む。今月は長崎市愛宕1丁目の長崎玉成高(上村正和校長)で模擬選挙を実施。生徒たちは候補者役の演説などを通して政策を比べ、実際の選挙で使用されている投票箱へ一票を投じた。2年の諸岡奈津子さん(17)は「若者の意見を政治に反映してもらえるよう、有権者になったら必ず選挙に行きたい」と語った。

 こうした主権者教育などに加え、長崎県選管は、高校卒業時や大学入学時に啓発チラシを配布するなどして、居住地が変わる場合は住民票を移すよう引き続き呼び掛ける考えだ。今夏の参院選では前回より高校での期日前投票所を増設し、ご当地キャラクターの考案や路線バス内での啓発アナウンスなど、若者に選挙を身近に感じてもらえるよう工夫を重ねた。長崎県選管は「引き続き高校や大学と連携しながら、改善できることを地道にやっていく」としている。

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