ラグビー熱まだまだ W杯効果、裾野拡大目指す

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W杯に刺激を受け、練習に励む、八戸少年ラグビースクールの子どもたち=24日、八戸市の東京鉄鋼体育館

 ラグビー日本代表「ブレイブ・ブロッサム」の活躍により、多くの国民が沸いたワールドカップ(W杯)2019日本大会。各国の選手たちの勇敢な戦いぶりに、国内でラグビーブームが巻き起こり、青森県内でもラグビーに興味・関心を抱く子どもたちが急増している。競技関係者は、今回のブームを一過性のもので終わらせてはいけないと思いを強くし、練習環境を整えるなど裾野の拡大に努めている。

 24日、八戸市内の体育館は、ラグビーボールを両手で抱え、笑顔で走り回る子どもたちの活気にあふれていた。

 市内唯一の少年ラグビーチーム「八戸少年ラグビースクール」には、園児から中学生まで男女約60人が所属。約2時間半の練習で目いっぱい体を動かし、ラグビーを満喫した。

 同スクールでは、W杯が開幕した9月以降、見学者や体験希望者が急増。例年、11月は主要な大会を終え、オフシーズンに突入しているが、この日の練習にも、来季の加入を見据えて5人が見学に訪れた。

 「これまで親に半強制的に連れてこられる子が多かったが、子どもたちが自発的にラグビーをやってみたいと思ってくれているようだ」と話すのは、同スクールの木村順也代表(49)。最近は、練習でもW杯の話題が中心といい、「子どもたちのうまくなりたいという気持ちを盛り上げてくれている」とW杯効果の継続に期待する。

 W杯を見て同スクールに入ったという市立旭ケ丘小3年の及川瑛生(えいき)くん(8)は、「試合を見て面白そうだと思った」と語り、市立根城小6年の戸賀澤亜実(つぐみ)主将(12)も「周りから『ラグビーをやっているなんてすごい』と言われた」と誇らしげだ。

 県ラグビー協会によると、県内のラグビー人口は高校生を中心に減少傾向。かつては少なくとも20~30校に常設部があったが、今年の全国高校ラグビー選手権県予選に出場した12チームのうち、単独チームは9校にとどまった。

 少子化やスポーツ種目の多様性などが原因と考えられるほか、県内の中学校にラグビー部がない現状もあり、担当者は「幼少期に競技に関心を持った子に、高校まで続けてもらうための方策が必要」と話す。

 木村代表は、今回のラグビー熱をきっかけに、子どもたちが思い切り体を動かせる環境づくりが大切との思いを強くしており、現在、毎週日曜日のみの練習を、平日に拡大することも検討している。

 ラグビーは競技中に体がぶつかりあい、安全面への配慮も重要だが、木村代表は「ぶつかったり、転んだりすることで感じる“気づき”もラグビーの魅力。競技を通して、仲間との交流やチャレンジ精神を身につけてほしい」と語る。【全文】