国民が期待する次の総理は小泉進次郎ではなく、あの人だった!|選挙ドットコムリサーチ

先週に引き続き11月9日(土)・10日(日)に選挙ドットコムが行ったハイブリッド調査(電話調査とインターネット調査を同じ設問で同時に行う方式)の結果についてお知らせします!前回の記事をまだご覧になっていない方は是非ご覧ください。

自民党に次ぐ政党は立憲ではなくN国?!ネット調査で驚くべき結果に|選挙ドットコムリサーチ>>

さて、今回のハイブリッド調査では支持政党や内閣支持率の調査の他に、「次の政権の首相にふさわしいと思うのは誰ですか?」という調査も行いました。今回は、その結果について迫っていきます!

意外にも三つ巴の結果に

今回のハイブリッド調査では、次の総理大臣候補の選択肢として、安倍晋三氏・菅義偉氏・石破茂氏・岸田文雄氏・河野太郎氏・加藤勝信氏・小泉進次郎氏を提示しました。野党からは名前を挙げていません。

安倍晋三氏は、今年11月20日に現職総理大臣としての通算首相在任日数が計2887日となり、首相在任日数の歴代最長記録を持っていた戦前の政治家である桂太郎氏を抜いたことで話題となりました。菅義偉氏は、今年4月1日に官房長官として新元号である「令和」を発表したことから、ネット上では「令和おじさん」の愛称で親しまれています。石破茂氏は、防衛大臣など数々の大臣ポストを経験しており、自民党総裁選挙に過去3回(2008年、2012年、2018年)の立候補経験があります。

岸田文雄氏は、派閥の領袖であり「ポスト安倍」の呼び声が高い政治家です。外務大臣や防衛大臣などの大臣を務めたのち、現在は自民党政調会長を務めています。河野太郎氏は、国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣、外務大臣を務めたのち、現在は防衛大臣を務めています。また、2009年に自民党総裁選挙に立候補した経験もあります。最近ではTwitterを用いたユニークな発信が話題で、選挙ドットコムが行っている「国会議員のTwitterランキング」でも毎週のようにランクインしています。加藤勝信氏は現在、厚生労働大臣を務めており、過去には自民党総務会長を務めていました。小泉進次郎氏は、8月にはフリーアナウンサーの滝川クリステル氏との結婚発表が話題となり、9月に行われた内閣改造で環境大臣として初入閣しています。

次期首相にふさわしいと思うのは…?

大手報道各社や週刊誌でも、上記の7名が次期首相として有力視されており、選挙ドットコムではハイブリッド調査を用いて、次期首相について国民の声を覗いてみました。その結果は以下の通りでした。

安倍氏、石破氏、小泉氏による三つ巴の結果になりました。また、電話調査では1ポイント差ですが、石破氏が安倍氏を上回っています。

それぞれの分析結果を見ていきます。「安倍氏が次期首相にふさわしい」と答えた回答者の6割強が安倍内閣を「強く支持する」「どちらかと言えば支持する」と答えており、安倍内閣に対して好意的な印象を抱いている層から安倍氏は支持を集めた言えます。また、反対に「石破氏がふさわしい」と答えた回答者の6割程度が安倍内閣を「全く支持しない」「どちらかと言えば支持しない」と答えており、安倍内閣に対して好ましくない印象を抱いている層から石破氏は支持を集めており、これは回答選択肢に野党の国会議員の名前がないことも影響していると考えられます。小泉氏は安倍内閣を「どちらとも言えない」と評価した層から支持を集めていました。

支持政党別にみてみると…

支持政党別に見ていくと、自民党支持層の5割程度、公明党支持層の4割程度が「安倍氏がふさわしい」と答えており、安倍氏は与党支持層からの支持が高いと言えます。また、立憲民主党支持層の4割強、共産党支持層の4割強、国民民主党支持層の5割程度が「石破氏がふさわしい」と答えており、石破氏は野党系からの支持が高いという特徴があります。小泉氏は回答者のボリュームゾーンである無党派層から最も支持を集めていました。

年代別で最も支持を集めているのは…

年代別で見ていくと、安倍氏は20代~30代、70歳以上で最も支持を集めており、石破氏は50代~60代で最も支持を集めています。小泉氏はどの年代からも2割程度の支持を集めていました。また特徴的だったのが、河野氏が40代以下から1割程度ずつ支持を集めており、特に18・19歳からは2割強の支持を集めています。SNSで積極的に発信をしていることが影響しているのかもしれません。

また、全体を俯瞰して見たときに、電話調査もネット調査も次期首相についての回答結果が似通っている点は非常に興味深いと言えます。前回の記事にも記載しましたが、電話調査では回答者の7割が50代以上、ネット調査では回答者の7割が40代以下という結果になっています。そのような前提があるにも関わらず、次期首相については傾向としては奇しくもほぼ同じという結果になりました。

ポスト安倍をめぐる攻防はどうなるのか

前回の自民党総裁選挙は2018年9月20日に行われ、安倍氏が3期目の当選を果たしました。自民党の党則では「総裁は連続2期6年まで」とありましたが、2017年3月に「連続3期9年まで」という改正が行われました。

安倍氏は今年3月に、自らの自民党総裁4選を否定しており、ポスト安倍をめぐって様々な憶測が飛び交っています。

今年7月に行われた参議院議員選挙の際には、安倍氏は広島県での街頭演説で広島県出身の池田勇人、宮澤喜一両元首相の名前を挙げた上で「令和の時代は岸田さんだ」と岸田氏を持ち上げる発言をしています。そして、岸田氏はメディアからの取材に対して「次の時代を担える人間の一人になれるように引き続き努力していきたい」と発言しています。

また、今年10月には、ある番組で河野氏が「次期総裁選に名乗りを上げたい」という旨の発言をしています。石破氏も先日行われたメディアからの取材で「党員に選択肢を提示することは、長く議員をやり、党三役や閣僚を経験してきた私が果たさないといけない責任だ」と答えています。

菅氏、加藤氏、小泉氏は今のところ自民党総裁選への意欲は見せていません。菅氏に関しては11月20日の定例記者会見において、記者から「次期総裁選に出馬する意欲があるか」と問われた際に「残念ながら全くない」と回答しています。

自民党総裁の任期は2021年の9月末までとなっており、残りは2年弱となりました。衆議院の任期満了は2021年10月21日ですが、1年以内に解散総選挙となる可能性が高いと言われております。安倍総理による解散となるのか、次期総理による解散となるのかにも注目です。過去最長の長期政権となった安倍政権を引き継ぐのは、一体誰なのでしょうか。

調査概要:調査は11月9日(土)と10日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で1,031件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。回答の数字は小数第3位以下を四捨五入。

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