WRC:2020年トヨタ加入のセバスチャン・オジエ「アイコニックなトヨタと一緒に仕事ができ感無量」

 11月27日に2020年のWRC世界ラリー選手権参戦体制を発表したTOYOTA GAZOO Racing WRT。新たにチームへ加わったセバスチャン・オジエは「アイコニックなトヨタ、トミ・マキネンと一緒に仕事ができ、感無量」とトヨタ加入の心境を語った。

 2019年はオット・タナク、ヤリ-マティ・ラトバラ、クリス・ミークの3名でシリーズを戦ったトヨタ。2020年に向けてはドライバーズ/コドライバーズ/マニュファクチャラーズタイトルの三冠獲得を目指し、全ドライバーを変更する大刷新を行った。

 エースとしてチームを引っ張るのは、これまでWRCに149回出走し優勝47回、2013〜18年に6年連続でドライバーズチャンピオンに輝いたオジエ。2019年限りでシトロエンを離れ、2019年に失ったチャンピオンの奪還へ挑む。

 そのチームメイトにはMスポーツ・フォードでシリーズを戦ってきたエルフィン・エバンスと、WRC2/WRC2プロで圧倒的な速さを示してきた新進気鋭の19歳、カッレ・ロバンペラを起用する。

「このチームの一員となり、興奮している。私にとってはもうひとつの新たなる挑戦であり、本当に楽しみだ」とオジエ。

「実は、2016年の終わりにも、翌年一緒に仕事をすることについて話し合ったが、その時は実現しなかった。しかしこうして、アイコニックなブランドであるトヨタ、そして子供の頃のアイドルであるトミ・マキネンと一緒に仕事をできることになり、感無量だ」

「成功するために力を合わせて戦い、世界タイトルを取り戻したいと思う。エルフィンは以前一緒に仕事をしたことがあるのでよく知っているし、とてもいいチームメイトだと思う」

「カッレはすでに十分な力を持っていることを証明しているし、素晴らしい才能を備えているのは間違いないから、きっとすぐに成長するだろう」

「我々3人ともこのチームで戦うのは初めてなので、クルマやその他のことについて学ぶのは簡単ではないと思う。それでも、できるだけ早くパフォーマンスを発揮できるようにベストを尽くすよ」

 エバンスは「チームはWRC参戦を開始した3年前から見事な結果を残してきたから、自分がその一員となることをうれしく思う」と述べている。

「トミは、彼自身ドライバーとして大きな成功を収めたように、WRCの高いレベルで戦う術を熟知している。ここまで、彼と素晴らしいやり取りを続けてきたから、来シーズンの開幕に向けて、チームとの関係がさらに深まることを期待しているよ」

「私たちにとって、2019年は複雑なシーズンだった。怪我によりシーズンの途中で3戦を欠場し、ポイントを獲得できなかった。しかし、その一方でステージ優勝を飾り、表彰台に立つなどいい結果を残し、速さを示すこともできた」

「だから、この新しいチームでさらに上を目指し、より多くの勝利を獲得し、成果を残したいと思う。セバスチャンとふたたび一緒に仕事をするのも楽しみだ」

 2020年がWRC最上位クラスデビューとなるロバンペラは「WRカーのシートを得ることが目標だったが、今、自分にそのチャンスが訪れた。数年前に初めてヤリスWRCをテストした時、トミが自分を信頼してくれたことをうれしく思ったが、今、こうして完全に彼のチームのメンバーとなることができて光栄だ」とトヨタ加入を喜んだ。

「来年は自分にとって間違いなく非常に難しいシーズンになるだろう。最大の課題は、新しいクルマについて学び、新たにカレンダーに加わるラリーに対応することだ」

「最初はクルマとスピード、そして、それらに関わるすべてのことが学びの対象となるはずだ。セブとエルフィンは経験豊かで、自分にとって本当にいいチームメイトになるだろう」

「彼らから多くのことを学習できるので、同じチームに入れて良かったと思うよ」

 トヨタがオジエ、エバンス、ロバンペラの3名体制で挑む2020年シーズンは、1月23〜26日の第1戦モンテカルロで開幕。シーズン最終戦は11月19〜22日に行われる第14戦ラリー・ジャパンだ。

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