軒先彩る800個の「ころ柿」 日本民家園、秋の風物詩

日本民家園内の古民家の軒先につるされた「ころ柿」(同園提供)

 日本民家園(川崎市多摩区)の古民家の軒先に、色鮮やかな「ころ柿」がずらりと並び干されている。同園の秋の風物詩で、日本の伝統的な風景を楽しめる。

 山梨県甲州市から移築した古民家・旧広瀬家が同園にあることから、当地の伝統文化を来園者に伝える交流事業として2014年度から「ころ柿」作りがスタート。毎年11月中旬から、同市で収穫された「甲州百目」という渋柿を民家園内の古民家で干して展示している。

 今年も19日に同市の職員と観光協会スタッフら9人が約800個の柿を搬入。民家園の職員とともにピーラーで手際よく皮をむき、硫黄で薫蒸消毒した上でひもでつないで、風通しと日当たりのいい軒先につるした。

 今年は旧佐々木家と旧江向家の軒先で展示している。渋谷卓男園長は「通常は25日間ほど干すが、今年は雨が続いているのでカビが心配。今後、1週間ぐらいは展示できると思う」と話す。

 軒先につるされた柿は平たい竹の籠に移し、棚干しする。その後、1週間ほど手でもみながら形を整え、まんべんなく日に当たるよう転がす。ころころと位置を変えることから「ころ柿」と呼ばれるようになったという。

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