鷹千賀が圧倒的、ロッテ種市&阪神高橋遥が躍進 今季セ・パ奪三振率10傑は?

ソフトバンク・千賀滉大【写真:荒川祐史】

千賀の奪三振率は11.33、180回1/3を投げて227三振を奪った

 奪三振率(SO9)とは、9イニング当たりの奪三振数を示した値。この数値が高い投手は、三振を数多く奪う投手ということになる。

 両リーグの奪三振率のランキングを見ていこう。100イニング以上の投手の奪三振率10傑。

○パ・リーグ
1 千賀滉大(ソ) 11.33(180回1/3 227奪三振)
2 種市篤暉(ロ) 10.41(116回2/3 135奪三振)
3 有原航平(日) 8.82(164回1/3 161奪三振)
4 山岡泰輔(オ) 8.15(170回 154奪三振)
5 二木康太(ロ) 8.04(128回2/3 115奪三振)
6 山本由伸(オ) 7.99(143回 127奪三振)
7 K-鈴木(オ) 7.74(102回1/3 88奪三振)
8 涌井秀章(ロ) 7.53(104回 87奪三振)
9 ボルシンガー(ロ) 7.51(103回 86奪三振)
10 美馬学(楽) 7.02(143回2/3 112奪三振)

 奪三振率が9.0を超えると毎回三振を奪っている計算になる。

 パ1位は奪三振王の千賀。11.33は非常に高い。160キロ超の速球に加え、フォーク、スライダーで三振を奪う。9月6日にはノーヒットノーランを毎回奪三振で記録している。2位には規定投球回未到達ながら種市が入った。今季は球速がアップしている。千賀と種市は一緒に自主トレをする仲だ。

セ・リーグは阪神の2年目左腕がリーグ唯一の「10」超え

 続いてはセ・リーグの10傑を見ていく。

○セ・リーグ
1 高橋遥人(神) 10.26(109回2/3 125奪三振)
2 山口俊(巨) 9.95(170回 188奪三振)
3 今永昇太(De) 9.85(170回 186奪三振)
4 ロメロ(中) 8.12(116回1/3 105奪三振)
5 菅野智之(巨) 7.92(136回1/3 120奪三振)
6 大野雄大(中) 7.90(177回2/3 156奪三振)
7 柳裕也(中) 7.70(170回2/3 146奪三振)
8 ジョンソン(広) 7.58(156回2/3 132奪三振)
9 小川泰弘(ヤ) 7.44(159回2/3 132奪三振)
10 九里亜蓮(広) 7.32(118回 96奪三振)

 高橋遥人が1位。この投手も150キロの伸びのある速球が売り。2位の山口も速球とフォークで三振を奪う投球が持ち味だ。菅野は昨年の奪三振率が8.91(200回202奪三振)。今季は9イニング当たりで約1個減らしている。DeNAの左腕今永は速球に加えチェンジアップやスライダーを武器にしている。

 奪三振率が低いからと言って優秀ではないとはいい切れない。ソフトバンク高橋礼の奪三振率は4.59(143回73奪三振)だった。同僚の千賀の半分以下だが、打たせて取る投球で今季の新人王に輝いている。阪神の西勇輝も5.85(172回1/3で112奪三振)と奪三振率は高くなかったが、安定感のある投球で10勝を挙げている。

 奪三振率が高くても、四球が多かったり、被安打、被本塁打が多ければ投手成績は下落する。あくまで奪三振率は投手を評価する一つの指標だ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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