「海外の宝くじが当たりました」と言って手数料を巻き上げる“宝くじの当選商法”の手口

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明が出演。海外の宝くじが当たったという“宝くじの当選商法”について語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さんです。宝くじの当選商法、という詐欺もあるのですか?

多田)そうですね。「あなたの宝くじが当たったので、手数料を振り込みなさい」というものです。

黒木)でも、自分で当たったか当たっていないか、わかるではないですか。

多田)「海外の宝くじが当たったよ」と言って来るのですよ。いまはだいぶ少なくなりましたが。以前は「あなたに海外の宝くじが当たっているので、受け取ってください」というダイレクトメールがたくさん来たのですよ。

黒木)でも、海外の宝くじは買っていないのでしょう?

多田)買っていないのですが、「代理で私が買っていました」とかね。

黒木)はあ。

多田)いろいろなことを言われて、高齢者の方で手数料を払ってしまう方がいるのですね。

黒木)はー。

多田)こういうギャンブル系は多いのです。儲かる方法があるとか、情報があるから、その手数料を払えというものです。

黒木)詐欺もいろいろな手口が進化しているのですね。とにかく私たちが詐欺に騙されないために、まず詐欺師の共通するテクニックを知っていなくてはいけません。

多田)詐欺師や悪徳商法の人は話が上手です。「はい」としか言わせないテクニックがあるのです。例えば高齢者の家に電話がかかって来て、「いやあ、このところ暑いですね」と言って来る。「そうですね」と答えると、これは「イエス」なのです。「こんなに暑いと夏バテしませんか?」「ええ、そうですね」と、ずっと「はい」しか言わせないのですよ。「最近、病院に通っていますか?」「高齢者ですからね。通っていますよ」「そうですか、体調は厳しくないですか?」という話を続けて、「はいはい」と言わせて、「どこか体の悪いところはないですか?」「あるよ」とかね。そうやって話を全部聞き出して、例えば健康食品を売る。

黒木)その人に合わせて、会話のなかから上手に何かを買わせる。

多田)そうです。「はい」しか言っていないから、「いいえ」と言いづらいのです。

黒木)その人たちは、どうやって訓練しているのですか?

多田)実は、こういう騙しをやる連中にはマニュアルがあります。「こういう順番でやって行くと騙せる」というものがあるのです。常にそれを勉強しているのです。

黒木)詐欺師になるための講習みたいなものがあるのですか?

多田)講習もあります。ロールプレイングのようなものがあるのです。詐欺をやり始めた人も、このマニュアル通りにやって行くと騙せてしまう。

黒木)それが彼らの達成感や、充実感になって行くわけですね。

多田)彼らにとっては、それがお給料やお金になりますからね。普通の詐欺でも給料体制でやっているところもあります。歩合制のところもあります。

黒木)はあ。

多田)お金になって跳ね返って来る、ということが大きいと思います。

黒木)そういう構造を考えると、詐欺師や悪質商法というものはなくならないのですか?

多田)そうですね。向こうは組織になっています。電話で、1対1で話しているように思えますが、向こうは組織で話しているのです。グループですから、まず1人がだめでも次の人、というような会社形態でやっています。だから、まずなくならないですね。そういうグループが世の中にはたくさんあるということです。

黒木)良心はないのですかね?

多田)私は奴らとよく話すのですが、まず良心はないですね。

黒木)ない!

多田)そういう組織のなかにいると、悪いと思わなくなってしまうのですね。「お前が親になって、自分のしたことを子どもに言えるのか?」と聞くと、「それは言えない」と言うのですが、「でも金がなくては世の中どうしようもない」と。それで「老人の金を取って、世の中に回していることの何が悪いのだ」と彼らは言うのですよ。

黒木)そうなると、なくならないということを前提として、我々がどうしたらいいかということが大事になるのですね。

多田)そうですね、確認が大切です。いまはなりすましが多いです。市役所の職員ですとか、嘘をついて電話をして来ることが多いので、まずその身元を確認してほしいですね。

黒木)どうやって?

多田)市役所ならば市役所に電話してみる。かかって来た電話には全部喋らない。

黒木)そのときはもう切って。

多田)そうです。

黒木)本当にそれが正しいのか、ということを確認する。

多田)これが騙されないための第一歩ですね。

ニッポン放送「あさナビ」

多田文明(ただ・ふみあき)/ 詐欺・悪質商法ジャーナリスト

■1965年、北海道旭川市出身。
■大学卒業後、ルポライターとして活動をはじめ、2週間に1度は勧誘されるという自らの経験を活かし、キャッチセールスの評論家に。
■実際にキャッチセールスや詐欺行為など怪しい勧誘について行き、その現場を経験。これまでに街頭からのキャッチセールス、アポイントメントセールスなどへの潜入は100ヵ所以上で、現在は詐欺・悪質商法、ネットを通じたサイドビジネスにも精通するジャーナリストとして活動。
■代表的な著書は『ついていったら、こうなった』『クリックしたら、こうなった』『なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?』などがある。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(11月21日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49