石木ダム 利水の事業再評価へ 佐世保市 工期延長で年度内にも

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、市水道局が水需要予測を含む利水面の事業再評価をする方向で検討を始めたことが27日、分かった。長崎県から工期の3年延長を正式に決定したと連絡があり、局内で調整に入った。再評価は本体関連工事の着手前だった2012年度以来となる。

 佐世保市水道局は、再評価をする方向で近く朝長則男市長と協議する。

 再評価は本年度内に始めるとみられる。反対派が疑問視する水需要予測のほか、代替案の可能性、費用対効果などをあらためて分析する。

 佐世保市は利水事業として厚生労働省の補助を受けており、適宜、再評価することが義務付けられている。県は15年度に工期を6年延長したが、市側は「大きな社会情勢の変化はない」として再評価を見送った。

 長崎県は9月に工期を3年延長する方針を県公共事業評価監視委員会に諮問し、承認された。市水道局は工期延長が前回と合わせて計9年となることから、厚労省が再評価の実施要領に定める「大幅な工期の延長」に該当する可能性があると懸念したとみられる。

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