コスプレーヤーをサポート オーダーメードで衣装製作・白澄華さん 高い完成度、注文相次ぐ

自作のコスプレ衣装を着て写真に納まる白澄華さん

 長崎県大村市本町のプラザおおむらで10日開かれた、日本のポップカルチャーを外国人と楽しむイベント「POP!おおむら2」。会場に設けられたコスプレ体験ブースでは、若い女性らがアニメやゲームの美少女キャラクターに扮(ふん)して盛り上がっていた。同ブースの衣装は全て同市在住のコスプレーヤー、白澄華(シスカ)さん(30)の手作り。その衣装は完成度が高く、オーダーメード販売もしていることから口コミやネットで評判となり、県内外から注文が相次いでいるという。

 ◆家庭科は苦手

 白澄華さんは高校生の頃から絵を描くのが趣味で、アニメや漫画が好きだった。福岡県のサブカルイベントに参加したのをきっかけに2008年、本格的にコスプレ活動を開始。当初は人気キャラクターの既製服を購入して楽しんでいたが、マイナーなキャラの衣装は商品化されていないため自作するしかなかった。しかし高校時代から家庭科は苦手。そこで裁縫が得意な友人から基礎を学び、既製服の手直しから始めた。そのうち腕前が上達し、ミシンを使って1人で1着作れるようになった。

 ◆数年かけ50着

 出来上がった服を自分で着て写真を撮り、コスプレーヤーのコミュニティーサイトにアップすると好評だった。製作意欲に火が付き、数年かけて50着以上を仕上げた。昨年5月、大村市本町のまちかど市民ギャラリーで自身のコスプレ写真と衣装展を開催。来場者から「裏地もしっかりしている。これなら注文したい」と声を掛けられ、今年2月から仕事として衣装作りを始めた。「かつての自分のように、変身したいキャラの衣装がなくて悩んでいるコスプレーヤーのサポートをしたかった」

 ◆多くのパーツ

 今年だけで県内外から17着の注文があり、人気はボーカロイド「初音ミク」やアニメ、ゲームの美少女キャラクター。そうした衣装は体にぴったりしたものが多いため、注文者の体を採寸したり、メールのやりとりで寸法を聞いたりして作る。「コスプレ衣装は洋装より和装の方がゆったりしているので作りやすい」
 現在は同市内にある自宅の工房で月2着のペースで製作しており、値段は生地にもよるが1着3万~4万円。白澄華さんによると首都圏の業者と比べ、格安という。コスプレの衣装は羽や髪飾りなどのパーツが多く、完成まで手間と時間がかかる。それでも、「試着したお客さんが笑顔を見せてくれた時、苦労が報われる」と話す。
 問い合わせは白澄華さんのツイッター(https://twitter.com/shishuka2)。

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