詐欺・悪質商法ジャーナリスト多田文明~騙されないためには「嫌です」と言うこと

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明が出演。詐欺電話などに騙されないために気を付けることについて語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さんです。騙されないために疑ったり、逃げたり、電話であれば切ったり確認したりと、いろいろ教えてくださったのですが、それ以外にはどのようなことに気を付けたらいいですか?

多田)大事なことは、相談できる環境をつくるということです。困ったら自分だけで解決してしまう人が多いのですよ。そうではなくて、周りに相談する。親御さんがオレオレ詐欺に遭ってしまったという人が、けっこう多いのですよ。それを聞いた息子が親に対して、「何て馬鹿なことをしたんだ」と言うのです。家族なので、感情的に怒ってしまう人が多い。そうなるとその親は、誰にも相談できなくなってしまう。

黒木)うーん。

多田)こういう構造が、詐欺師を蔓延らせる原因になっているのです。ですので、常に相談できる環境をつくってあげる。「騙されるのは本人が悪いのではなく、騙す方が悪くて巧みなのだ」ということを理解して、本人を責めるのではなく、本人が困ったときにすぐ相談できるようにする。「何だい、どうしたんだい?」と。

黒木)日ごろからね。

多田)そういうコミュニケーションを取ることが大切です。

黒木)はい。

多田)いま「アポ電」と言われる、「アポイント電話」が増えています。詐欺の前の、予兆電話とも言われます。まず最初にアポ電をして、「ちょっと調査をしています」「お一人暮らしでいらっしゃいますよね?」と。それに「はい、そうです」と答える。そして最後に、「全員に聞いているのですが、いまこの地域の平均預貯金額は、500万円だという統計が出ています。上か下かでいいので教えてください」と聞いて来る。「上です」と答えると、「ありがとうございます」と言って切れる。これが実はアポ電なのです。

黒木)ほう。

多田)すると、一人暮らしでお金を持っているということがわかるでしょう。

黒木)はい。

多田)いま、こういう電話が多いですね。

黒木)電話調査はたまにありますよね。本当の調査と見分けるには、どうしたらいいのでしょうか?

多田)まず、お金の話や家族状況については、できるだけ答えないでほしい。本当にアンケートだったとしても、これだけ詐欺の多い世の中ですから。アンケートだと、高齢者の方は真面目に全部答えてしまいます。アンケートは任意なので、それだけはしないでほしいです。「それは答えたくありません」「嫌です」と言う。これが詐欺師だった場合、「あ、こいつは言うことをきかない奴だ」「詐欺がしづらい」と思ったら、もうその人は狙いません。別のターゲットに行きます。

黒木)家電があるから、ということもあるのでしょうか?

多田)詐欺対策用電話という電話があります。電話がかかって来ると、「この電話の内容は全部録音します」というメッセージが流れるものです。すると、向こうは切ります。

黒木)そう言う電話もあるのですか?

多田)あります。警察で把握している詐欺の電話番号を、ブロックしてくれる電話もあります。そうした電話をつけておけば、詐欺師も「警戒しているな、これはできないな」と思って、やめてしまいます。そうやって防ぐ手もありますね。

黒木)なるほど。守る方も進化して行くわけですね。

ニッポン放送「あさナビ」

多田文明(ただ・ふみあき)/ 詐欺・悪質商法ジャーナリスト

■1965年、北海道旭川市出身。
■大学卒業後、ルポライターとして活動をはじめ、2週間に1度は勧誘されるという自らの経験を活かし、キャッチセールスの評論家に。
■実際にキャッチセールスや詐欺行為など怪しい勧誘について行き、その現場を経験。これまでに街頭からのキャッチセールス、アポイントメントセールスなどへの潜入は100ヵ所以上で、現在は詐欺・悪質商法、ネットを通じたサイドビジネスにも精通するジャーナリストとして活動。
■代表的な著書は『ついていったら、こうなった』『クリックしたら、こうなった』『なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?』などがある。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(11月22日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49