清水は600万円増の2600万円、宇佐見は400万円増の2000万円でサイン
日本ハムの正捕手候補2人が火花を散らした。清水優心捕手と宇佐見真吾捕手が28日、札幌の球団事務所で契約更改交渉を行い、清水が600万円増の2600万円、宇佐見が400万円増の2000万円でサインした(金額は推定)。
先に契約を更改した23歳の清水が、正捕手獲りを力強く宣言した。「来年6年目になりますし、しっかり一人で出るつもりでやっていきたいと思います」。今季は1月に腰を手術して出遅れたものの、4月下旬に復帰すると、自己最多の98試合に出場し、打率.259の成績を残した。それでも「スタメンが少なかったので(68試合)、来年はスタメンで100試合以上出て、リーグ優勝、日本一に貢献したいです」と力を込めた。
シーズン中に宇佐見が巨人からトレード移籍してきて、火がついた。「途中加入もありましたし、まだまだ自分も全然な成績なので、併用という形になっている。来シーズンは誰も文句を言わないぐらいの成績を上げたいです」と覚悟を示した。目指すのは、西武・森の打撃とソフトバンク・甲斐の守備。文句を言わせない数字として、打率2割7分を掲げた。
今回の交渉で希望額には届かなかったことも大きなモチベーションになった。「評価してもらいましたけど、金額的に多少のズレはありました。球団からは『来年もっとやってくれたら上げるから』と言われたので、悔しい思いを来年ぶつけたいと思います。12月からは練習の鬼になります」と表情を引き締めた。
清水、宇佐見の自主トレは千葉・鎌ヶ谷で単独で行う
一方、その4時間後に交渉に臨んだ26歳の宇佐見も、少なからず清水を意識していた。「栗山監督は『キャッチャーも打てないといけない』という話をしています。(清水)優心も2割6分打っていますし、負けないぐらい打ちたいです」とライバル心を露わにした。
6月末に加入した宇佐見は入団会見当日に即出場。プロ4年目で最多の45試合に出場したが、最終的には打率.198と不本意な成績に終わった。「球団は違いますが、(巨人を引退した)阿部さんは目標としてきた選手。近づけたら」と来季は長打を打てる捕手として存在感を発揮するつもり。打率2割6分と2桁本塁打を目指す。
お互いに刺激しあう存在だ。宇佐見は「優心もそうだと思いますが、優心が打ったら、なにくそと思う。お互いキャンプから負けないようにやっていきたいです」と話す。
ともに自主トレは、千葉・鎌ヶ谷で単独で行う計画。だが、なぜか宇佐見が清水を送迎するという。「『迎えに来てくれるっしょ』と言われて。ライバルじゃなくて、ドライバーです。ちゃんとガソリン代は請求しますけどね。奴の方がもらっているので」とおおらかに笑った宇佐見。火花バチバチでも気心の知れたライバルは切磋琢磨して、腕を磨く。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)