発達障害、VRで訓練 津の特別支援校、来月から 全国初 三重

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【教室の場面を再現したVR画面(ジョリーグッド提供)】

 三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校(津市)は12月から、発達障害のある児童、生徒の対人関係を訓練する授業に仮想現実(VR)の技術を活用する。来年3月末まで効果を検証し、導入などを検討する。全国の特別支援学校でVRを活用するのは初めて。

 自閉症などの発達障害のある子どもは臨機応変な人付き合いが苦手な場合が多い。従来の特別支援学校ではロールプレーなどを通じて社会生活を学ぶ「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」で訓練しているが、前提となる場面を共有するのが課題だった。

 新たに活用するのは、VR教材を手掛ける「ジョリーグッド」(東京)が開発したサービス「emou(エモウ)」。対人関係で想定される場面をVRで再現し、社会生活を疑似体験できる。場面ごとに選択肢が現れ、選んだ回答によって場面が変化する。相手の目線や表情、言動などを体験して、場面の理解を促す。学校の教室や面接など80程度のコンテンツがある。

 同校にはVR機器3台と操作用のタブレットを配備。小学校高学年と中学生の授業で活用する。VRで場面を体験した後、自分の考えの表現方法や他者の気持ちへの理解などを評価。会話中の目線や選んだ回答などを点数化し、学習意欲の向上を図る。

 報告会が28日に同校であり、同社CEOの上路健介氏らがサービスについて「ゲーム感覚で体験でき、場面に入り込めるので集中しやすい」と紹介。教室で同級生と会話する場面を体験した鈴木英敬知事は「すごくリアル。こんな子が教室にいた」と驚いていた。

 鈴木知事は「リアリティーがあり、何度でも楽しめる。スキルの差に左右されないので教員にとっても安心」と評価。会話が標準語で展開されていたため「三重弁だったらさらにリアル」と注文を付けると、上路氏は「それはいいアイデア。フィードバックをもらたらもっと身近に感じてもらえるようなものができるので、忌憚(きたん)なく意見をいただきたい」と述べた。