在特会元幹部に罰金刑 朝鮮学校ヘイトスピーチめぐり名誉棄損で初判決

京都地裁

 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)への差別的な発言で社会的評価をおとしめたとして、名誉毀損罪に問われた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部西村斉被告(51)=右京区=に対して、京都地裁(柴山智裁判長)は29日、罰金50万円(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
 起訴状では、2017年4月23日、同校跡地そばの公園で、拡声器を使い「ここに日本人を拉致した朝鮮学校があった」などと発言。動画をインターネット配信し、同校を運営していた学校法人京都朝鮮学園の名誉を傷つけた、としている。
 量刑理由で、柴山智裁判長は「学校法人の名誉を害した被害は軽視できない」とする一方、日本人拉致問題についての発言について「公共性も公益目的も認められる」と判断した。
 事件を巡っては、京都朝鮮学園側が17年に告訴し、京都地検が18年4月に被告を在宅起訴した。学園側の弁護士によると、ヘイトスピーチを巡り、侮辱罪より刑罰の重い名誉毀損罪での起訴は全国初という。

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