「A型テント」「トンネル型」に続き、次なるブームはこの3つの新世代タイプ!? ワンポールやツーポールと基本的な構造は変わらないものの、そこから派生した斬新な幕が増えています。もはや既存の枠におさまりきらない、そんな次世代幕を改めてカテゴリーごとに定義づけてみました。新幕を吟味している方、ぜひ参考にしてみてくださいね!

テントもシェルターも絶賛進化中!

毎年多くのブランドから発表される、新作テントやシェルター。これまではドームテント・ワンポールテント・オープンタープ・ツーポールシェルターなど比較的明確にカテゴライズできるアイテムがほとんどでしたが、ここへきてちょっと新たな傾向が!

それは、定番のフォルムをベースにしつつ、より快適性向上のための工夫がなされていたり、斬新なデザインのものが増えたということ。今や既存の枠には収まりきらないテントやシェルターが、じつに豊富です。

そこで、分類してみました

そんな既存の分類に属さない幕たちを3つにジャンル分けし、整理してみました。あくまで独断ではありますが、新たな幕選びの参考にぜひどうぞ!

三角錐をちょいと広げて快適化!「進化型ワンポール」

設営のしやすさやデザイン性で人気の、ワンポールテント。それをベースにサイドパネルの一部を立ち上げるなどして、内部空間の狭さというデメリットを改善したのが進化型ワンポール。

より快適性が高まったうえ、ビジュアルもトレンド感があり今後人気上昇の予感です。

代表例1:サバティカル モーニンググローリーTC

まずは今秋発売された新ブランド・サバティカルのモーニンググローリーTC。メインのほかフロントに3本のサブポールを使うことで、前面に広いスペースを確保できます。オプションのインナーを使えば2ルームシェルターにもなる機能性も、大きな特徴です。

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代表例2:セインアーツ ゼクーM

今春発売されたゼインアーツのミドルサイズシェルター・ゼクーMも、進化型ワンポールのひとつ。6面あるパネルのうち1面を開けるだけで、開放感大! エクステンションフレームでサイドもピンと張ることで、中で過ごす時も圧迫感のない設計になっています。

代表例3:スノーピーク スピアヘッド

進化型ワンポールをいち早くリリースしていた国内ブランドが、スノーピーク。フレームを追加しスペースを拡張する画期的なシェルターとして、2017年の発売当時話題になりました。

ジッパーを使ってスピアヘッド同士を連結させるドッキングスタイルなど、快適な居住性はもちろん斬新な特徴やビジュアルも魅力です!

代表例4:ベルガンス ウィグロ

同系統の老舗テントといえば、ベルガンスのウィグロ。ノルウェーのブランドだけあり厳冬期にも対応するハイスペックテントとして、冬の雪中キャンプでも使われる頼もしい一幕です。

フォルムはスピアヘッド同様円錐形に近く、高すぎず低すぎずの絶妙な設計。内部空間を圧迫することなく、耐風性も備えます。

代表例5:ローベンス カイオワ

上記のテントやシェルターとはちょっと違う拡張性が図られているのが、ローベンスのカイオワ。テント側面に備えられた大型のフロントポーチが特徴的で、前室と呼ぶには広すぎるほどのワイドスペース!

入口をジッパーで覆えば、風をしっかりシャットアウト。内部から閉塞感を感じないよう、外が見えるサイドウインドウも付いています。

さて2つ目のカテゴリーは、ツールームテントの進化版となる「オープンタープ一体型」です!

設営楽勝かつ機能的!「オープンタープ一体型」

ツールームテントから派生したのが、こちら。大型のツールームは設営が大変なわりにリビング部分が大きすぎると感じたことはありませんか?

オープンタープ一体型なら基本はフライシートにインナーを吊り下げるだけと手順はシンプルで、スペースもコンパクト。長いポールをスリーブに通して重いテントを建ち上げる……といった力仕事からも、開放されます!

代表例1:ogawa トリアングロ

タープをフライシートとして、テントをインナーとして吊り下げるトリアングロ。それぞれバックルで連結して固定します。雨が降っても大きな屋根の下で濡れずに撤収作業ができるのは、魅力的ですね。

タープは単体でも使え、インナーテントの床を外せばフロアレスシェルターにもなるなどフレキシブルな設営もできます。

代表例2:ニーモ・イクイップメント ダークティンバー4P

その他類似アイテムとしては、ニーモのダークティンバー。トリアングロよりやや小さいながら、テント高は234cm。こちらのほうが重量が軽いという点が、メリットでもあります。

もうひとつの特徴は、ルーフ部分のスプリングテクノロジー。はじめに1本タープポールを立て、ゴムの力によりテンションをかけると、自立をキープ。1人での設営をサポートしてくれる嬉しい機能です。

代表例3:スノーピーク ヘキサイーズ

設営方法はトリアングロ・ダークティンバーとほぼ同じながら、サイズはソロ用でコンパクトなのがこちら。フライシートとなるタープはヘキサ型で、後部にも雨を除けられる空間が生まれます。

前後を長さの違うポールで支えることで、ロースタイルでありながら室内高も確保。男性でも窮屈さを感じないよう設計されています。

代表例4:コールマン タフオープン2ルームハウス

このジャンルの注目株は、つい先日2020年春夏アイテムとして発表されたコールマンの新作テント2幕。いずれもインナー吊り下げ式ではありませんが、キャノピーがタープと連結しているためこちらも一体型。

設営は簡単ながら広く快適という“良いとこ取り”なテント、来年以降ユーザーが増えそうです!

設営スタイルは自由自在!「可変式・多角形シェルター」

アレンジパターンの豊富さが魅力のツーポールシェルター。それをベースに進化したのが、可変式・多角形シェルターです。2本のポールを軸にする基本の設営は同じながら、複数本のポールを足すことでより豊富な張り方を楽しめるというものです。

代表例1:ナショナルジオグラフィック ハイドアウト

超ビッグスケールのフロアレスシェルター。その圧巻なサイズ感はさることながら、多彩な設営アレンジが最大の魅力! メッシュ窓に切り替えた通気性重視の設営や、ウォールの一部を跳ね上げる変則的なスタイルなど、オリジナルの張り方を見出したい玄人好みのシェルターです。

代表例2:サバティカル スカイパイロットTC

こちらも大人6~8人で使える大型シェルター。メインポールのほか4本のポールを使い、拡張性の高い設営ができます。寒さや暑さに応じたオープン・フルクローズはもちろん、日差しや風向きなどより細かいシーンにも対応できる機能的なシェルターです。

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代表例3:ゼインアーツ ギギ

上記2つに比べるとかなりコンパクトなシェルター・ギギ。2人使いにちょうど良いサイズながら、同ブランドのゼクー同様ドアの跳ね上げで開放的な設営ができます。

長さの違うポールを足してパネルに角度をつければ、見た目も斬新!

まだまだ進化し続ける新生代幕たち

年々かっこよく、使いやすく進化しているテントやシェルター。既成の枠にとらわれない新しいテント・シェルターの登場は、わたしたちのアウトドアをより充実させてくれそうですね。

今後も各メーカーが切磋琢磨し、ますます加速しそうな新世代幕事情。その進化から目が離せません!

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