タイムカプセル開封 41年前の懐かしい歌声や写真 思い出話に花咲かせ 大瀬戸・雪浦運動公園整備の記録

公園整備の記録などが入ったタイムカプセルを開ける参加者=西海市大瀬戸町、雪浦運動公園

 地域住民や出身者から寄付を募り、1978年に整備された長崎県西海市大瀬戸町の雪浦運動公園内の緑地。敷地内に埋められたタイムカプセルが24日、41年ぶりに開封された。参加者は写真などに見入り、思い出話に花を咲かせた。

 約7千平方メートルの同公園には多目的広場と緑地がある。緑地は雪浦壮年団が集めた寄付金約460万円と、旧西彼大瀬戸町の緑化助成金で整備された。住民ら延べ850人が整地などの労力奉仕したという。

 壮年団の後継組織、雪浦連絡協議会がタイムカプセルの中身を確認しようと企画した。敷地内には「この中には着工から完成までの経過を記した書類を保存しています」と刻まれた石碑があり、その下から2時間半かけて取り出した。

 カプセルには「幼児、老人を交通事故から守り、自由に遊べる場を」と74年に町議会に出した運動公園整備の請願書をはじめ、「ふるさと」と題した壮年団発行の文集、寄付者名簿、労働奉仕や地区の芸能大会を撮影した写真集、カセットテープなど十数点が収められていた。

 参加者は写真に見入り、録音された歌声を聞きながら「この声は誰やろ」「(雪浦くんちの)シャギリのリズムが今よりもゆっくりしている」などと話し合っていた。75年に団長を務めた山下良雄さん(84)は「写真には懐かしい顔もあった」と感慨深げ。雪浦連絡協議会の山本誠治さん(58)は「当時の人の思いや苦労が詰まっていた」と話した。

完成当時の雪浦運動公園(雪浦連絡協議会提供)

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