早まる日没、反射材の普及さらに

県警、伸びる着用率

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少し恥ずかしそうな様子を見せながら夜光反射タスキを身に着ける生徒=米沢市・米沢一中

 日没が早まり、夜間に歩行者がはねられる交通事故の危険性が高まっている。県警は夜道でもドライバーが歩行者を認識しやすいよう、夜光反射材の着用を呼び掛け、今年の着用率は昨年比で約6倍となる13.8%となった。反射材を身に着けたことで重大事故に至らないケースも多く、県警交通企画課は「着用率はまだ十分ではない」と、一層の普及を図っていく。

 昨年までの過去5年で夜間の事故で亡くなった歩行者は51人。全員、夜光反射材を着用していなかった。県警は高齢者を中心に反射材を身に着けるよう呼び掛けを強化。今年10月末の着用率は昨年の2.4%から約6倍に伸びた。夜光反射材の普及で、日没後にはねられた高齢者の致死率は昨年の15%から8.7%に低下した。

 ただ、歩行者が夜間にはねられる危険性は冬場に向けて高まる。過去5年の統計で見ると、11月の歩行中事故の死者は11人で、このうち9人が日没以降にはねられていた。一方、夜光反射材を着用していた歩行者は、事故に遭っても軽傷で済むなど、最悪の事態を回避しているケースも多い。先月、横断歩道を歩いて渡っていた20代の男性が乗用車にはねられる事故があったが、運転していた20代の女性は男性が靴に貼っていた夜光反射材に気付いて急ブレーキを踏み、男性に接触したものの、重大事故は免れた。

 これからは路面が凍結し、事故の危険性はさらに増す。早めのライト点灯や減速など運転者が事故防止を心掛けるとともに、歩行者も自ら身を守る必要性があると、県警は呼び掛けている。

意識向上へ米沢一中生が率先「お年寄りもさあ一緒に」  県警は夜光反射材の着用率を高めようと、各署管内で推進地区を設定し「夜光反射材実践チーム作戦」を展開している。米沢署は米沢一中(長谷部悟校長、322人)の学区を推進地区に設定し、夜光反射材付きのたすき350本を寄贈。孫世代の生徒が率先して着用することで、お年寄りの着用率も向上させるのが狙いだ。

 「事故で悲しむ人を1人でも減らしてほしい」と、交通事故遺族から今春、同署に100万円分の夜光反射材が寄付された。寄贈したのは、この一部で、12日に同校で寄贈式が行われた。草苅隆志署長は遺族の思いとともに「自分の身を守るだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんにも、出歩くときは反射材を着けるよう話してほしい」と呼び掛けた。3年鈴木誠也さん(15)は「ちょっと格好悪いかなと思うこともあったけど、安全のためにしっかり着用します」と約束した。