「12月、山口市はクリスマス市になる」 12月1日「クリスマス市セレモニー」で幕開け

▲雨中での昨年の「光誕祭」一場面

 日本初のクリスマスミサ(1552=天文21年)が、ここ山口で執り行われたとの史実を、地域のブランド力向上やにぎわいにつなげようと、「日本のクリスマスは山口から実行委員会」(岡部達矢委員長)は「12月、山口市はクリスマス市になる。」と宣言。12月の山口市内では、趣旨に賛同する50近くの催しや取り組みが行われる。

 1カ月間にわたる「クリスマス市」事業は、12月1日(日)の「クリスマス市セレモニー」で幕が上がる。会場は山口サビエル記念聖堂(山口市亀山町4)で、時間は午後6時から(5時半開場)。山口での日本初のミサで歌われたと記録されているグレゴリオ聖歌「神は仰せになる」が奏でられ、鐘の音、パイプオルガン、ハンドベルなどの演奏と圧巻の歌声、荘厳な灯りに包まれながら「クリスマス市」の初日を祝う。出演は、湯川れい子、宮川彬良、クミコ、佐藤隆紀・佐賀龍彦(LE VELVETS)、Luz・Dody(Unlimited tone)、増村エミコ・結城賢吾・高木美奈子(VOJA-tension)らで、入場は無料。

 セレモニー終了後には「やまぐち光誕祭」(後記事参照)の一部(1章・2章のみ)が無料上映される。

 また、この日の昼にはセントコア山口で、料理と音楽を楽しむ「クリスマス市祝賀祭」も開催されるが、チケットはすでに完売した。

  

「史実を子どもたちに伝えたい」 光と音の物語「やまぐち光誕祭」

 山口のクリスマスの歴史を、夜景評論家の丸々もとお氏が光と音で表現した「やまぐち光誕祭」が、12月2日(月)と3日(火)の午後6時から9時まで、サビエル記念聖堂で開かれる。2019年で3回目。

 「出会いと絆が生む奇跡~音楽と光が紡ぎ合う大聖堂」をテーマに、室町時代から現代に至る歴史を、約10分間の光と音の物語にした。1章「出会い」(フランシスコ・サビエルが西国一と称される守護大名・大内義隆に謁見)、2章「贈り物」(サビエルが義隆に、時計や眼鏡など13の贈り物)、3章「繁栄」(義隆はサビエルの布教の願いを受け入れ、日本初の降誕祭も祝われた。後年、山口の人々は歴史・文化の象徴としてサビエル記念聖堂を愛し続けた)、4章「絆」(1991年に聖堂が消失。しかし、聖堂を愛する人たちの絆は、落胆を再建への情熱に)、5章「奇跡」(1998年4月29日、山口サビエル記念聖堂は再建された)の全5章で構成されている。

 随時入れ替え制で上演される。料金は、大人1000円で、中学生以下は無料。 前売りチケットは、YCAMやC・S赤れんがで購入できる。

 主催する「クリスマス市プロジェクト」の大原敏之さんと杉本理恵子さんは「サビエル記念聖堂という、日本のクリスマスにおける『一丁目一番地』の場所で、特に子どもたちに山口の史実に触れてほしいと、中学生以下は無料にしている。大人の1000円は、子どもたちに郷土への誇りを持ってもらうための手助け・寄付だと認識してほしい」と開催意義を説明し、広く来場を呼び掛けている。

 両日とも、初回上映の来場者は、サビエルの顔を描き出すキャンドルアートの作成に参加することができる。また、聖フランシスコ・サビエル命日の12月3日午後5時15分からは、祝日ミサも執り行われる(誰でも参加可能)。

 12月1日から3日にかけて、湯田温泉街と同聖堂とを結ぶシャトルバスも運行される。運行時間や、その他イベントの詳細は、ウェブサイト(http://www.xmas-city.jp/)を参照のこと。

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