「僕もその1人」―オリ吉田正が明かしたMLB挑戦への思い、侍J同僚への“敬意”

契約更改に臨んだオリックス・吉田正尚【写真:橋本健吾】

235%の大幅昇給で年俸2億円でサイン「若手のモチベーションにもなる」

 オリックスの吉田正尚外野手は29日、契約更改交渉を行い1億1500万円アップの年俸2億円で一発サイン(金額は推定)。入団5年目以内での年俸2億円到達はNPB史上13人目の偉業だった。

 235%の大幅昇給を手にした吉田正。会見では「最高の評価をしてもらった。やればしっかり評価してくれると。若手のモチベーションにもなる」と笑顔を見せ、大台突破を喜んだ。

 今季は2年連続で全試合に出場し、打率.322、自己最多の29本塁打、85打点をマーク。ベストナインにも選出された。侍ジャパンにも選ばれ「プレミア12」で世界一も経験。充実したシーズンを過ごしたが「実力もまだまだ、悔しい思いもした」と振り返った。

 プレミア12では打率.200、0本塁打、1打点と結果を残すことができず、決勝戦ではスタメンから外れた。そんな中で、広島鈴木、菊池涼、楽天浅村らの活躍には刺激を受けた様子。特に、日本の4番として大活躍し、MVPを獲得した鈴木には「一緒にプレーをして凄いなと。リスペクトですし、プレーに対する姿勢、常に高いところを目指している感じでした」と素直な気持ちを口にした。

 今オフは侍ジャパンでもともにプレーした菊池涼、西武秋山、巨人山口、そしてDeNA筒香がメジャー移籍を目指す。世界最高峰の舞台に挑戦する仲間たちの姿に「野球選手として高いレベルを目指すことは良いことだと思う。僕もその1人です」と自身の思いを包み隠さず語った。

 だが、プレミア12の成績を含めまだまだ自分自身に納得できないようで「まだ(世間にも)認められていない。そんな甘い世界ではないと思っているので」と謙遜。入団時にはブライス・ハーパー外野手(当時ナショナルズ)に憧れ、背番号「34」を希望した小さな強打者が、メジャーの舞台で豪快な一発を放つ姿が見られる日も、そう遠くないはずだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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