海上自衛隊の食料納品業務で便宜を図った見返りに接待を受けたとして、収賄の罪に問われた海自横須賀造修補給所の2等海曹(47)=横須賀市汐入町=と、贈賄の罪に問われた同市の食料品製造販売会社の元社長の男(52)の初公判が29日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)であった。両被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、「2等海曹はかねて元社長から飲食代金を負担してもらっていたことから、同社から納品された規格外の食料品を自ら検査して黙認すれば同社の利益に寄与できると考えた」と指摘。2等海曹が元社長にこうした話を持ちかけ、不正な納品を繰り返したと述べた。
2等海曹が、新規参入してきた同業者への検査基準を厳格にして排除し、元社長に入札関係の内部情報を提供していたとも主張。元社長はその見返りとして、2等海曹を横浜市中区内の高級クラブで接待していたとした。
起訴状などによると、2等海曹は2016年12月10日~18年5月8日、明食が納品した食品が規格外だったことを知りながら黙認、元社長から見返りに同区内の飲食店2カ所で26回にわたり計110万円相当の接待を受けた、とされる。両被告の審理は次回以降分離される予定。