楽天ブラッシュ、ヤクルト山田哲が“選球眼王” 「出塁率-打率」のトップ10は?

楽天のジャバリ・ブラッシュ(左)、ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

IsoDランクのトップ10、パ・リーグでは楽天新助っ人がトップ

 MLBでは「安打と四球は、同じ“出塁1”だから同じ価値だ」という考え方が広がりつつある。日本でも打者にとって「出塁率」の重要性は高まりつつある。

「四死球による出塁」だけを示す指標にIsoD(Isolated Discipline)がある。「出塁率-打率」という簡単な数式で導き出せるが、純粋に「選球眼」を抽出した数値だと言える。

 今季、300打席以上の打者のランキングを見ていこう。

○パ・リーグ

1 ブラッシュ(楽).136(出塁率.397 打率.261)
2 近藤健介(日).120(出塁率.422 打率.302)
3 山川穂高(西).116(出塁率.372 打率.256)
4 井上晴哉(ロ).110(出塁率.362 打率.252)
5 浅村栄斗(楽).109(出塁率.372 打率.263)
6 西川遥輝(日).105(出塁率.393 打率.288)
7 角中勝也(ロ).101(出塁率.359 打率.258)
8 デスパイネ(ソ).096(出塁率.355 打率.259)
9 福田周平(オ).092(出塁率.342 打率.250)
10 辰己涼介(楽).091(出塁率.320 打率.229)

 楽天の新外国人のジャバリ・ブラッシュが.136で1位。ブラッシュはチームトップの95打点を挙げたが、選球眼でも貢献した。2位はプレミア12でも最多の9四球を選んだ日本ハムの近藤。パの最高出塁率も獲得した。

 IsoDは、投手が警戒する長距離打者が高くなる傾向があるが、日本ハムのリードオフマンの西川や、オリックスの福田も高かった。彼らは純粋に「ボールを良く選んでいた」と言えるだろう。

セのトップ10には捕手が3人、メジャー挑戦の筒香も

○セ・リーグ

1 山田哲人(ヤ).130(出塁率.401 打率.271)
2 鈴木誠也(広).118(出塁率.453 打率.335)
3 筒香嘉智(De).116(出塁率.388 打率.272)
4 會澤翼(広).111(出塁率.387 打率.277)
5 中村悠平(ヤ).104(出塁率.373 打率.269)
6 村上宗隆(ヤ).101(出塁率.332 打率.231)
7 ゲレーロ(巨).100(出塁率.337 打率.237)
8 伊藤光(De).098(出塁率.352 打率.254)
9 マルテ(神).0974(出塁率.381 打率.284)
10 丸佳浩(巨).0967(出塁率.388 打率.292)

 ヤクルトの山田が1位。山田は今季、打率3割をマークできず、4度目のトリプルスリーを逸したが、出塁率は4割を超え、貢献度は高かった。2位は鈴木。3位にはDeNAの筒香が入っている。MLBでは四球を良く選ぶ選手の評価は高い。IsoDが高いことはMLBでもプラスの評価になるだろう。

 そのあとに広島の曾澤、ヤクルトの中村と捕手がランクイン。8位のDeNA伊藤光もそうだが、選球眼の良い捕手が下位打線にいると、得点力がアップする。貢献度は高い。

 タイトルではないが、IsoDは貢献度の高い選手をピックアップする重要な指標だといえよう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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