子どものSNS被害 5年で100人 フィルタリングや地域連携で予防を 内閣府

児童生徒の携帯電話の所持率、SNSなどの利用に起因した犯罪被害

 子どもがインターネット犯罪に遭わない環境づくりを考えるフォーラムが29日、県庁であった。県内の子どもの携帯電話所持率は年々上がり、会員制交流サイト(SNS)の利用被害は過去5年間で100人に上ると報告された。学校関係者や保護者らは、悪質なサイトへの接続を制限する「フィルタリング」の設定や地域連携の重要性について学んだ。
 フォーラムは地域で自立的・継続的な連携体制を構築しようと内閣府が主催した。行政機関や学校の関係者、保護者、民間事業者ら約150人が参加した。
 県教委は県内公立学校の児童生徒の携帯電話利用状況を報告。所持率は小6で47.9%、中3で59.8%、高3で94.7%。フィルタリングの利用(小学5年~高校3年)は6~7割だった。
 県警はSNSを通じた犯罪被害状況などを報告した。2014年から5年間の被害者数は計100人。14年が35人で最も多く、18年は中高生ら16人が被害に遭った。県警の担当者は、中学1年の女子生徒=当時(12)=が18年2月、SNSを通じて知り合った福岡県内の男に佐世保市内で誘拐された事件を紹介。「被害者数は減少傾向だが、過去5年間で見ると100人も被害に遭っている。フィルタリングをすれば被害に遭うリスクを減らすことができる」と提案した。
 また、サイバー犯罪で摘発された少年は増加傾向にあり、18年は過去5年間で最多の10人。担当者は「少年を犯罪者にしないためにモラル教育が大切」と訴えた。
 このほか、保護者や学校、行政機関が地域で連携してネット利用環境づくりに取り組んでいる事例報告や、連携体制の在り方を考えるパネルディスカッションもあった。

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