長崎県が外来医療計画 素案 新規開業者に協力求める

 長崎県は26日、2020~23年度の4年間の外来医療計画素案を明らかにした。それによると、診療所の開設が都市部に偏っているなどとして、県内八つの2次医療圏ごとに外来医療の現状や課題を情報発信し、充実が必要な機能を担うよう新規開業者に協力を求めるという。計画は19年度末までに策定する。
 長崎市内であった県保健医療対策協議会で提示した。外来医療計画は今年4月施行の改正医療法で医療計画に定める事項として新たに追加され、今回が最初の計画となる。
 素案によると、外来医師の偏在度合いを示す指標が全国の2次医療圏の中で、上位3分の1に入る医療圏を「外来医師多数区域」と設定。県内八つの医療圏のうち長崎、県央、五島、壱岐が多数区域(暫定)となったが、「機械的に算出された相対的な指標で、地域の現状を十分に反映していないケースもある」などとして、指標を含めさまざまなデータを活用し、外来提供体制を協議する必要性を指摘している。
 地域で不足する機能として▽初期救急医療▽在宅医療▽産業医、学校医、予防接種などの公衆衛生-の3項目を提示。このほか各地で対策が必要な外来機能を協議し現状を周知。新規開業の事前相談時などに情報を提供し、多数区域では充実が求められる機能を担うよう協力を求めるという。
 ただ県は「開業を制限するものではない」と説明した。今後、県議会での議論やパブリックコメントの募集などを経て県医療審議会に答申してもらい策定する。

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