新たに枯死、終息まだ

森林管理署、蔵王のアオモリトドマツを2年ぶり調査

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アオモリトドマツの自生苗を移植した林地。周辺は枯死木が立ち並ぶ=5月、山形市・地蔵山頂駅周辺

 山形市の蔵王山に広がる樹氷の木「アオモリトドマツ」が害虫の食害で枯死している問題を受け、山形森林管理署が2年ぶりに被害調査を行った結果、複数のエリアで新たに枯死木が確認された。被害が甚大な「激害区域」の面積はほぼ変わらないが、終息のめどは見えてこない。一方、現地に試験植栽した自生苗は順調に生育しており、関係者は樹氷林再生の足掛かりとして期待を寄せる。

 29日に山形市の県自治会館で開かれたアオモリトドマツの検討会で、同管理署の担当者が説明した。

 今年6月、激害区域が広がる蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅周辺の100ヘクタールを小型無人機ドローンで撮影して現状を確認した。アオモリトドマツが分布する76.5ヘクタールのうち、50.8ヘクタールで枯死している樹木が見つかった。枯死木のみの区域は約17ヘクタールで、17年の調査から大きな変化はなかった。全体の被害分布も傾向はほぼ同じだったが、枯死が進行している箇所もあった。

 枯死の原因となるトドマツノキクイムシの被害状況を見ると、激害区域内にある2地点についてはいずれも生存率0%、同区域西側の1地点では37%だった。昨年まで立ち枯れ状態だった木が今年に入り倒れたケースもあるという。

 管理署は今年5月と9月、被害が少ない標高1300メートルのエリアから自生の苗を採取し、計20本を山頂駅近くの林地に植えた。囲いをしていない苗については雪で覆われているものの、現時点では順調に生育しているという。来春の雪解けを待ってあらためて状態を確認する。

 検討会では、出席者から「枯死木の状態をもっと調べてほしい」「山形側と宮城側で同じ方法で調査してみてはどうか」といった意見が出た。来年度も引き続き苗木の移植試験を行う方針で、同管理署の担当者は「うまく育つように期待している。今後の結果を踏まえて検討を進めたい」と話していた。