通算92本塁打のボーアがNPB・阪神と契約 強打の左打者

シーズン20本塁打を3度記録するなど通算92本塁打の実績を誇る左打ちのスラッガーが、海を渡って日本プロ野球に参戦することが決まった。日本時間11月29日、阪神タイガースの谷本修球団本部長は、ジャパンタイムズに対してジャスティン・ボーアと契約合意に至ったことを発表。チームに欠けていた長距離砲として「四番・一塁」を任せると見られている。

今季のボーアは年俸250万ドルの1年契約でエンゼルスに加入し、大谷翔平の同僚としてプレイした。しかし、マーリンズ時代に見せたような輝きを放つことはできず、52試合で打率.172、8本塁打、26打点、OPS.623という寂しい成績に。マイナーで過ごした期間も長く、AAA級では49試合に出場して打率.316、17本塁打、43打点、OPS1.104と格の違いを見せつけた。

ボーアの自己ベストのシーズンはマーリンズ時代の2017年であり、この年は108試合に出場して打率.289、25本塁打、83打点、OPS.902の好成績をマーク。前半戦だけで20本塁打を放ち、ホームラン・ダービーにも出場した。このほか、2015年に23本塁打、2018年にも20本塁打を放っており、メジャー6シーズンでの通算成績は559試合に出場して433安打、打率.253、92本塁打、303打点、OPS.794となっている。

ボーアの最大の弱点は左投手を打てないことであり、メジャー通算では右投手に対して打率.260、84本塁打、OPS.833をマークしているものの、左投手に対しては打率.217、8本塁打、OPS.630に終わっている。今季の8本塁打もすべて右投手から放ったものであり、キャリアを通して右打者と併用されるケースがほとんどだった。また、一塁の守備も決して上手ではなく、守備防御点でプラスの数値を記録したシーズンは一度もない。カブスのマイナーにいた2012年に3試合だけ左翼を守った経験があるものの、基本的には一塁専門の選手である。

欠点は少なくないが、シーズン20本塁打を3度記録している長打力は非常に魅力的。まだ31歳であり、日本プロ野球に適応できれば不動の四番打者としての活躍を見せてくれることだろう。

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