子宮頸がん検査、自己採取で手軽に

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自己採取HPV検査の有効性に関する研究成果を発表した黒川哲司准教授(左)ら=11月29日、福井県庁

 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を検出する「HPV検査」で、福井大学などは11月29日、本人が採取した検体を使用しても、医師が採取した場合と比べて検査の精度はほぼ変わらないとする研究成果を発表した。手軽にできる自己採取検査の有効性が確認されたことで、研究者は「検査が検診の代わりになるわけではないが、子宮頸がん検診未受診者が検診を受けようという動機付けになれば」と話している。

 HPVには100種類以上あり、HPV検査では、がんにつながるリスクの高い14種類のHPVの遺伝子の有無を調べる。今年1~7月に福井大医学部附属病院で福井県内の20~60代の100人に、海外で普及しているオランダ製のキットを使った自己採取検査と医師採取検査を受けてもらい精度を比較。検査結果の一致率は88%で、特にリスクの高い16型、18型では99%だった。

 福井県によると、県内での子宮頸がん検診の受診率は2018年度、20代31.9%、30代49.8%、40代53%。仕事で忙しいことや男性医師への抵抗感などが受診率が伸び悩んでいる一因とされている。自己採取だと自宅で約3分で検体を採取できる。同大などは今後市町に協力を依頼し、検診未受診者にキットを送り、陽性が出た人に受診を呼び掛ける。

 同県庁で記者会見した同大の黒川哲司准教授は「検診受診率の向上につなげたい」と述べた。また、未受診者の中には妊娠時に子宮頸がんが見つかるケースがある。同席した知野陽子助教は「赤ちゃんの命か自分の命かという究極の選択を迫られる人もいる」とし、検診受診や早期発見、治療の必要性を強調した。

 研究成果は日本臨床細胞学会秋季大会で発表した。

 子宮頸がんは、子宮の入り口部分に当たる子宮頸部にできるがん。比較的若い世代でも多く発症する。性交渉などでヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することが主な原因。HPVに感染しても必ず発症するわけではない。検診では、子宮頸部で採取した細胞に異常がないかどうか顕微鏡で調べる。福井県内では毎年約120人が発症している。