がん患者 生殖機能は温存できる 岡山大病院が解説パンフ作成

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生殖機能の温存について解説したパンフレットと中塚教授

 がん治療と妊娠について解説したパンフレットを、岡山大病院リプロダクション(生殖)センター(岡山市北区鹿田町)などが作成した。患者は治療によって子どもを授かることが困難になる場合があるが、治療前に卵子や精子を凍結保存すれば生殖機能を温存できる可能性があることを紹介。同センターは「正しい知識で悔いなく治療を受けてほしい」と呼び掛ける。

 抗がん剤や放射線により、卵巣や精巣といった生殖に関わる臓器がダメージを受けて機能が低下したり、失われたりする場合がある。近年は生殖医療技術の発達で、卵子や精子をはじめ、受精卵や卵巣の一部を凍結保存して機能を残す選択が可能になったが、「十分に周知できていないのが現状。治療を受けてから、子どもを諦めざるを得ないと後悔する患者さんもいる」(同センター)という。

 「将来、子どもを持つことについて知りたい方とその家族へ」と題したパンフレットは、A5判6ページ。女性は卵子、受精卵、卵巣、男性は精子について、それぞれ凍結保存の方法や自己負担額、リスクなどを説明したほか、相談窓口を掲載している。生殖医療の実施医療機関が探せるウェブサイトも案内した。

 センター長の中塚幹也・岡山大大学院教授は「全員が対象となるわけではないが、少しでも多くの患者さんが生殖機能の温存について知るきっかけになれば。がん治療に関わる医師や看護師らにもあらためて理解してほしい」と話している。

 パンフレットは1万部作り、県内の医療機関で配布しているほか、「がんと生殖医療ネットワークOKAYAMA」のサイトなどでダウンロードできる。