「黒丸踊」勇壮に 大村、法養祭で奉納

勇壮な黒丸踊を披露した法養祭=大村市、黒丸町公民館

 国指定重要無形民俗文化財「大村の郡三踊」の一つ「黒丸踊」を奉納する法養祭が11月28日、長崎県大村市の黒丸町公民館であり、同踊保存会(前川與会長)が勇壮な踊りを披露した。
 黒丸踊は戦国時代、大村家当主・大村純伊(すみこれ)が領地を回復した際、領民が祝い踊ったと伝えられる。中国地方から来た浪人・法養が広めたとされ、命日に合わせ毎年奉納されている。
 大花輪を背負った出演者が太鼓を勇壮に打ち鳴らし、武士に扮(ふん)した子どもたちが唄や三味線、笛の音に合わせ優雅な舞を披露。大花輪は直径5メートル、重さ60キロあり、下に入ると幸福が訪れるとされる。会場には多くの観客が訪れ、踊りを写真に収めるなどしていた。
 前川会長は「踊りを奉納するためには地域のさまざまな人の力が必要で、地域を結束させるための先人の知恵が詰まっていると感じる。担い手確保の課題もあるが、今後も伝統を守っていきたい」と話した。

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