台風被害復旧、支援に感謝BBQ 相模原のDNA解析会社

地域住民らとバーベキューを楽しむ中野さん(左) =相模原市緑区長竹の生物技研

 台風19号による河川の氾濫で浸水被害を受けたDNA解析会社「生物技研」(相模原市緑区長竹)が30日、敷地内を覆った泥などの除去を終え、復旧記念のバーベキューパーティーを開いた。きれいに整地された駐車場にテーブルを置き、地域住民ら約40人を招いて支援に感謝した。

 台風が直撃した10月12日夜、会社の前を流れる串川が増水して氾濫。社屋は床上10センチほどまで水が入り、敷地内には深さ15センチ以上の泥や土砂のほか、倒木などが堆積した。

 従業員らで室内の片付けは終えたものの、分厚い泥は1週間近く手付かずだった。近所の住民が連携し、災害ボランティアセンターに連絡。派遣されたボランティアが重機を使って泥をすくい、狭い場所はスコップでかき出したほか、流されて用水路に落ちていた車も協力して引き上げた。

 床下にたまった泥を取り除くなど、5日間ほどボランティアが活動。その後、業者に依頼して砂利をまいて敷地内を整地し、被災から約1カ月後に完全復旧を果たした。

 パーティー会場には、骨付きの豚肉やソーセージ、トルティーヤなどが並んだ。参加した男性は「災害があったときは、地域で支え合うことが大切だとよく分かった」と話す。

 「ボランティアの方々も呼び、心から感謝したかったが連絡先が分からなかった」と社長の中野江一郎さん(43)。「被災後は途方に暮れていたが、多くの人の支えで元気を取り戻せた。感謝したい」と笑顔だった。

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