際立つソフトバンク&楽天の外国人 下位3球団は苦戦…12球団助っ人診断パ編

ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(左)、ジュリスベル・グラシアル【写真:荒川祐史】

西武はニールが11連勝をマークするも…

 2019年のプロ野球はソフトバンクが3年連続で日本一に輝き、幕を閉じた。セ・リーグは巨人が5年ぶりに制し、パ・リーグは西武が2年連続で制覇。だが、CSで西武を2年続けて破ったソフトバンクが日本シリーズでも巨人に4連勝し、ポストシーズン10連勝で頂点に立った。

 今季も143試合に渡る長く厳しい戦いを繰り広げてきた選手たち。それでは、シーズン開幕前に大きな期待を寄せられた外国人選手たちは“助っ人”と呼ぶに相応しい活躍を出来たのだろうか。ここでは、外国人診断として各球団の助っ人たちのの働きぶりを振り返り、外国人補強の成功度を測ってみよう。

 今回はパ・リーグの6球団だ。

○西武
【投手】C
マーティン 41試合2勝5敗1S10H 防3.67
廖任磊 3試合0勝0敗0S0H 防3.00
ニール 17試合12勝1敗0S0H 10QS 防2.87
ヒース 34試合2勝3敗2S7H 防3.73
カスティーヨ 1軍登板なし
【野手】D
メヒア 75試合128打数27安6本31点 率.211

 2年連続でパ・リーグを制覇した西武。先発のニールは外国人投手タイ記録となる11連勝をマークし、ソフトバンクを逆転してのリーグ優勝に大きく貢献し、大車輪の活躍を見せた。その一方でヒース、マーティンは中継ぎとしてそれぞれ34試合、41試合に登板したが、安定感に欠き昇降格を繰り返した。

 カスティーヨは昨オフに受けた右肘の手術の影響で1軍登板なしのまま、シーズン途中に自由契約に。メヒアは代打起用が中心で75試合出場、6本塁打止まり。だが、劇的なサヨナラ弾を放つなど終盤にはその勝負強さを発揮した。

鷹はグラシアル、デスパイネ、モイネロ、楽天はブセニッツ、ブラッシュらが高いレベルで活躍

○ソフトバンク
【投手】C
スチュワートJr. 1軍登板なし
ミランダ 18試合7勝5敗0S0H 6QS 防4.19
モイネロ 60試合3勝1敗4S34H 防1.52
バンデンハーク 3試合2勝0敗0S0H 2QS 防3.12
サファテ 1軍登板なし
スアレス 9試合0勝4敗0S0H 0QS 防5.74
【野手】A
グラシアル 103試合373打数119安28本68点 率.319
コラス 7試合18打数5安1本2点 率.278
デスパイネ 130試合448打数116安36本88点 率.259

 8人も外国人が支配下に登録されたソフトバンク。その助っ人勢の働きもまずまずだったと言えるだろう。投手陣ではモイネロがキューバ代表活動での離脱がありながら、60試合に投げて防御率1.52。グラシアルも103試合の出場ながら28本塁打、打率.319と不可欠な存在となった。

 デスパイネも36本塁打を放って打線の核として活躍した。惜しむらくは4枠ある最後の1枠。ミランダは7勝をマークしたが、投球は不安定だった。バンデンハークは故障のために3試合の登板に終わり、サファテは手術を受けた股関節の状態が上がらずに米国へ帰国し、1軍登板無しに終わった。

○楽天
【投手】B
ブセニッツ 54試合4勝3敗0S28H 防1.98
ハーマン 50試合5勝3敗0S21H 防3.04
宋家豪 48試合3勝2敗0S24H 防2.18
【野手】 B
ウィーラー 117試合411打数100安19本67点 率.243
ブラッシュ 128試合426打数111安33本95点 率.261
ヒメネス 1軍出場なし

 3位に食い込み、クライマックスシリーズ 進出を掴んだ楽天。助っ人勢も上々の働きを見せたシーズンだった。投手陣ではブセニッツがセットアッパーとして防御率1.98と安定した投球を見せ、ハーマン、宋家豪も中継ぎとしてまずまずの成績を残した。

 野手でも新助っ人のブラッシュが大きな働きを見せた。チームトップで歴代外国人最多となる33本塁打を放ち、95打点と好成績を残した。ウィーラーは苦戦の1年に。打率.243は来日5年目で最低の成績だった。

日本ハム、オリックスは助っ人の目立った活躍はなし

○ロッテ
【投手】D
レイビン 2試合0勝0敗0S0H 防27.00
チェン・グァンユウ 44試合1勝1敗0S5H 防3.63
ブランドン 14試合0勝2敗0S3H 防3.94
ボルシンガー 20試合4勝6敗0S0H 6QS 防4.63
【野手】C
バルガス 35試合84打数15安1本6点 率.179
レアード 139試合487打数121安32本89点 率.248
マーティン 52試合194打数45安14本39点 率.232

 クライマックスシリーズ進出を目前で逃したロッテ。助っ人がなかなか期待通りの働きを見せられなかったのが痛かった。新助っ人のレイビン、ブランドンともに結果を残せず。2年目のボルシンガーは故障も相次ぎ4勝止まりだった。

 野手も日本ハムから移籍したレアードは32本塁打と期待通りの活躍を見せた一方で、レアードとともに打線の核として期待されたバルガスは35試合止まりに終わった。シーズン中に加入したマーティンは52試合で14本塁打、守備でも度々貢献した。

○日本ハム
【投手】D
マルティネス 1軍登板なし
ハンコック 8試合0勝1敗2S2H 防9.00
バーベイト 15試合2勝2敗0S1H 0QS 防5.63
ロドリゲス 34試合6勝7敗1S8H 3QS 防3.25
【野手】D
王柏融 88試合306打数78安3本35点 率.255

 日本ハムも今季は助っ人に苦しめられたチームの1つだった。マルティネスは前腕の屈筋損傷など故障が相次いで1軍登板なし。ハンコック、バーベイトの新助っ人2人も期待に添えなかった。

 ロドリゲスは“オープナー”の後を受ける第2先発などで34試合に登板し、6勝をマーク。まずまずの働きを見せた。台湾で2度の4割を記録した実績を持つ王柏融も怪我により88試合の出場にとどまった。

○オリックス
【投手】C
アルバース 13試合2勝6敗0S0H 5QS 防5.83
ディクソン 37試合2勝1敗18S5H 防3.03
エップラー 24試合4勝4敗0S3H 防4.02
【野手】D
モヤ 64試合242打数59安10本35点 率.244
ロメロ 81試合295打数90安18本63点 率.305
マレーロ 43試合123打数26安2本14点 率.211
メネセス 29試合102打数21安4本14点 率.206

 3年ぶりに最下位に沈んだオリックス。ローテの柱として期待されたアルバースは椎間板ヘルニアの影響で2勝止まり。新助っ人のエップラーも24登板止まり。ディクソンは出遅れ、中盤以降はリリーフ、抑えとして起用されて37試合で18セーブをマークした。

 野手では新助っ人のメネセスが奮わず。さらにドーピング検査で禁止薬物への陽性反応が出たため、1年間の出場停止処分を科され、シーズン中に自由契約となった。ロメロは打率.305、18本塁打を記録したが、相次ぐ故障で81試合の出場では物足りない。マレーロも打率.211に終わった。中日からシーズン途中に加入したモヤは移籍後初打席で初本塁打を放ち、インパクトを残して64試合で10本塁打を放った。(Full-Count編集部)

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