【MLB】田中将大らに計430億円“投資” 13年オフのヤ軍補強、“不良債権男”獲得は「汚点」!?

ヤンキース・田中将大【写真:AP】

MLB公式サイトが特集「歴史上で最大の注目を集めた15件のFA」

 今オフのストーブリーグでも多くの大型契約が誕生することが予想されるメジャーリーグ。ここ2年ほどは年俸の高騰が抑えられているが、それでも選手たちは多くの報酬を手にしている。MLB公式サイトでは「歴史上で最大の注目を集めた15件のFA」とのタイトルで特集を掲載。ヤンキースの田中将大投手の名前も登場する。

 記事は、同じ年のオフに複数の大物FAを獲得した年を振り返る内容。その中にヤンキースの2013年オフの補強が入っている。当時、ヤンキースはジャコビー・エルズベリー外野手、ブライアン・マッキャン捕手、そして田中の3人を獲得。田中は7年総額1億5500万ドル(約169億7400万円)、エルズベリーは7年総額1億5300万ドル(約167億5500万円)、マッキャンは5年総額8500万ドル(約93億円)と、3人で計3億9300万ドル(約430億円)を“投資”した。

 その背景について、MLB公式サイトは2013年に宿敵レッドソックスがワールドシリーズを制し、ヤンキースはプレーオフ進出を逃していたという事実に注目。「というわけで、ブロンクス・ボンバーズ(ヤンキースの愛称)は3つの巨大なFA契約を結んだ」とした上で「彼らはレッドソックスからジャコビー・エルズベリーを引き抜き、アトランタ(ブレーブス)から(FAとなっていた)マッキャンをうまく説得した。そして、マサヒロ・タナカが日本からメジャーリーグへと(プレーする)舞台を変え、彼らはオフの“貴重なもの”を手に入れた」と振り返っている。

 この3人の中で最も高く評価されているのが田中で、「タナカは特にプレーオフで力強さを見せる」とも言及しており、加入後に重要な存在となったことを強調している。

契約解除のエルズベリーには酷評「結果的に“汚点”となった」

 一方で、名門球団でもリーダーシップを発揮したマッキャンに対する見方はやや厳しく、度重なる負傷などで完全に“不良債権化”して今オフに契約を解除されたエルズベリーに至っては酷評が並んでいる。

「タナカ以外に関して言えば、ヤンキースが再び(プレーオフで戦えるほどの)強豪へと返り咲くことができたのは、2013年オフに巨額の投資をすることになったFA選手たちよりも、若き才能たちによる活躍による部分が大きい。エルズベリーの契約は結果的に“汚点”となった。怪我と不振に悩まされ、エルズベリーは1年2600万ドル(約28億5000万円)の契約が残った状態で契約解除となった」

 田中の活躍がなければ、完全な“補強失敗”との評価を下される年になっていたかもしれない。長期契約が主体の現在のメジャーでは、大型補強が“賭け”となりつつある。契約が正当な額だったと評価される田中のようなケースは今後も少なくなってしまうのだろうか。(Full-Count編集部)

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