日本人ライダーがツインリンクもてぎの一筆書きに挑戦/MotoGPオフシーズン企画

 2019年内のテストもすべて終え、オフシーズンに入ったMotoGP。MotoGPロスの方たちに向け、10月18~20日に栃木県のツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦日本GPでは、Moto2、Moto3クラスに出場した8人の日本人ライダーにツインリンクもてぎを描いてもらう企画を行った。また、金曜日と土曜日に行われた前夜祭の様子もフォトギャラリーでお届けする。

■ツインリンクもてぎのコース図一筆書きチャンレンジ

 2019年第16戦日本GPの開催地であるツインリンクもてぎのコースレイアウトを、日本人ライダーに一筆書きしてもらう企画を実施。

 挑戦してくれたのはMoto2、Moto3クラスに出場し、過去にもツインリンクもてぎを走行したことのある8人のライダーだ。スケッチブックとマジック1本で、各ライダーが記憶を頼りにツインリンクもてぎを描く様子をお届けする。

ツインリンクもてぎを描く佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)

 まず、最初にパドックで出会ったのが佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)。スラスラとペンを進めていくと、中盤からは記憶をたどりつつではあったが、一筆書きのツインリンクもてぎが完成。

ツインリンクもてぎを描く佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)

 全体のバランスは前半区間が大きくなっているが、コーナーごとの特徴は捉えているのではないだろうか。

 ふたり目は、ワイルドカードでMoto3に初参戦した長谷川聖(Team Anija Club Y’s)だ。1~5コーナーまでスムーズにいき、その後のコーナーでは何度かペンを止めながら描いているのがラインの太さからも伝わるだろう。

ツインリンクもてぎを描く長谷川聖(Team Anija Club Y’s)

 しかし、さすが2019年の全日本ロードJ-GP3チャンピオンというべきか、コーナーの角度や長さもほぼパーフェクト。挑戦してくれた8人のなかで一番上手く描けていた。

 次に、長谷川とピットが隣り合わせだった真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)にバトンタッチ。すでに描き終えている長谷川と佐々木が見守るなか描き進めていく。

真崎一輝がツインリンクもてぎを描く様子

 真崎は長谷川と立ち話をしており、長谷川が描いたコース図を見ていたためほぼ完ぺきと思われたが……。結果は、特徴は捉えているようだが、最終区間の90度からビクトリーコーナーが1度しか曲がっておらずはじめのふたりとは曲がり方が異なっている。

ツインリンクもてぎを描く真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)

 ちなみに手で隠しているところは佐々木に邪魔をされ、“コースアウト”してしまったところだ。悪くはない出来といったところか。

 Moto2クラス唯一の日本人ライダーである長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)。最初の区間を大きく描きすぎてしまったので、3コーナーにさしかかり「あ、足りない」と、その後は区間を小さくしたことによりバランスは悪くなってしまった。

ツインリンクもてぎを描く長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)

 バランスは大目にみるとして、130R、S字、V字コーナーは長さと角度は違うように思えるが、綺麗にビクトリーコーナーを抜け1周が完成した。

ツインリンクもてぎを描く長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)

 下部に『2019Ver』と書いてある通り、来年も挑戦したいとのことなので機会があれば突撃しようと思う。

 Honda Team Asiaのチームオフィスに行くと小椋藍と鳥羽海渡のふたりが迎えてくれた。「簡単です」と自信ありげに先陣を切ったのは小椋。

ツインリンクもてぎを描くHonda Team Asiaのふたり

 後半区間の90度コーナーまでペンを進めるが、描きだしたスタートラインに繋がる様子がなく鳥羽が大笑い。V字コーナーが鬼門となっていたようだ。

ツインリンクもてぎを描く鳥羽海渡(Honda Team Asia)

 交代するとふたりが「違う」、「合ってる」など笑って言い合いながら、鳥羽はコース図をまとめあげた。V字コーナーがやや開いているが、小椋が描いたコース図に惑わされずにまずまずの出来。

 再度小椋にペンが渡り2度目の挑戦。鳥羽が描いたコース図も見ていたことから、V字コーナーまではうまくペンが進む。しかしそこで止まり記憶をたどってダウンヒルストレート前後を修正しながら描き切った。

 V字コーナーの大きさ、ヘアピンからダウンヒルストレートエンドの位置が合えば、ビクトリーコーナーがまとめられたのではないだろうか。

ツインリンクもてぎを描く小椋藍(Honda Team Asia)
ツインリンクもてぎを描く鳥羽海渡(Honda Team Asia)

 Moto3の出場は4度目、日本GPはワイルドカードでエントリーした山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)。よくみると全コーナーが描いてあるのだが、流れるようなラインでダウンヒルストレートの位置も確保できなかったため、ツインリンクもてぎとは程遠い形に。

ツインリンクもてぎを描く山中琉聖(Estrella Galicia 0,0) 1回目

 2度目の挑戦は真崎に大きさをアドバイスされたこともあって、コーナーの角度もうまくまとまった。

山中琉聖と真崎一輝
ツインリンクもてぎを描く山中琉聖(Estrella Galicia 0,0) 2回目

 最後のライダーは鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)。ピットに戻る途中だった鈴木に声をかけると、自転車にまたがったまま「いいですか?すぐできますよ」と15秒ほどで完成。

ツインリンクもてぎを描く鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)

 ヘルメットの後頭部に刻まれている通り“和製イタリア人”といった感じで描き終えたスケッチブックと写真を撮ると颯爽とガレージに消えていった。

ツインリンクもてぎを描く鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)

■前夜祭は笑いありサプライズあり

 日本GPの金曜日と土曜日には、中央エントランスのMotoステージで前夜祭が行われ、現役MotoGPライダーやレジェンドライダーたちが登場。ステージにはバイク好き芸人が集まるRGツーリングクラブのレイザーラモンRGさんやチュートリアルの福田充徳さんたちも参加し、会場を盛り上げていた。

前夜祭の様子
会場のファンにペンライトを振る用促すカル・クラッチロー
会場のファンと写真を撮るカレル・アブラハムとティト・ラバット
レジェンドライダートークショーに登場した原田哲也と青木宣篤
因縁のライバルだったマックス・ビアッジと一緒に登場するというサプライズを見せた原田哲也
休憩時間の場をつなぐRGツーリングクラブのメンバー
青木宣篤のコスプレをしたレイザーラモンRGの前に登場した青木宣篤本人
ダブル青木でフォトセッションするレイザーラモンRGと青木宣篤

 その他、前夜祭の様子や、会場で見つけたトピックスのフォトギャラリーは以下をクリック。

2019年MotoGP日本GPフォトギャラリーはこちら

© 株式会社三栄