鷹の次なる“育成の星”砂川リチャード アジアWLで2冠、驚異の長打率.933

ソフトバンク・砂川リチャード【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】

父は元海兵隊員、母は日本人のハーフで、兄はマイナーリーガー

 千賀晃大、甲斐拓也、石川柊太、牧原大成、周東佑京……。いまやソフトバンクに不可欠な存在となった面々の共通点は、育成選手としてソフトバンクに入団し、そこから這い上がってチームを、そして球界を代表する選手になったところだ。

「育成選手=ソフトバンク」と認識されるほどになったソフトバンク。今季も開幕前に支配下に昇格した周東が一躍脚光を浴び、「第2回 WBSCプレミア12」で初優勝した野球日本代表「侍ジャパン」の一員にもなった。そこでの活躍で瞬く間に知名度を高めていった。

 千賀や甲斐、周東と次々と輩出しているソフトバンクで“ネクストブレーク”の候補として期待されているのが、育成2年目の砂川リチャード内野手。父は元米海兵隊員、母は日本人というハーフで、兄はマリナーズ傘下に在籍するマイナーリーガー。リチャード自身は身長188センチ、体重114キロという恵まれた体格を誇るスラッガーだ。

 今シーズン中に藤本博史3軍監督が楽しそうに話していたのを思い出す。「リチャードが面白い。めちゃくちゃ飛ばす。飛距離だけなら柳田よりも飛ばすんちゃうかな。バックスクリーンを越える打球も何回も打っているからな」。当たれば、あの柳田悠岐外野手をも凌ぐ飛距離を誇るというから、期待も膨らむ。

 その砂川リチャード、現在、台湾で行われている「アジアウインターリーグ」で大暴れしている。10月30日に行われた社会人選抜との一戦では4回の第2打席で適時二塁打を放ち、8回の第5打席でも適時打を放って、この日は5打数2安打4打点と活躍。NPB REDの勝利に貢献した。

 ここまで7試合を消化して30打数13安打で打率.433はリーグ2位、3本塁打14打点はどちらもリーグトップの好成績をマークしている。13安打のうち二塁打が6本、本塁打が3本とほとんどが長打となっており、長打率は驚異の.933。OPSは1.366となっている。

 秋季キャンプでは王貞治球団会長から直々に指導を受け、期待をかけられていた砂川リチャード。未来の大砲候補として、覚えておいていただきたい名前だ。(Full-Count編集部)

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