いまさら聞けない!?元国際線CAが教える日本酒のキソ知識

日本酒ってムズカシイ?

機内ではファーストクラスはもちろん、エコノミークラスまで日本酒をサービスしています。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、日本酒も見直されてきていますよね。

2020年東京オリンピックに向けて、国内外からもますます注目されている日本酒。

でも、日本酒の種類は「本醸造・特別本醸造・吟醸・純米・特別純米……」と、こうして文字にすると、なんだかちんぷんかんぷん!

よくわからなーい!となってしまう方も多いのではないでしょうか。お気持ちはよく分かります……が、違いは意外と分かりやすいですよ。

いくつかのポイントさえ押さえれば、あなたも今日から日本酒通!さあ、ラベルをよく見てみましょう!

 

ポイント1・原材料に注目!

上の『黒松白鹿 特別本醸造 山田錦』で見ると、原材料名は「米米こうじ醸造アルコール」となっていますよね。

醸造アルコールとは主にさとうきびなどの蒸留酒を加えることで、これによって味を整えることができます。

醸造アルコール=悪酔いの元凶!というイメージがありますが、そんなことは全くなく、反対に雑味が出るのを押さえてくれます。

本醸造酒”とつくお酒は酒蔵のメインストリームの味であることが多く、その酒蔵の味の軸を知ることができます。

気になる酒蔵ができたら、まずは“本醸造酒”から試してみるといいかもしれませんね!

ちなみに、「米・米こうじ」のみで造られているお酒は純米酒・純米吟醸など純米○○とつきます。

 

 

ポイント2:精米歩合(せいまいぶあい)とは?

精米歩合とは、そのお酒を造るときに何パーセントのお米を削ったかがわかります。

精米歩合70%だと、30%削って70%お米を残した、ということ。精米歩合35%だと65%削ったということになります。

 

≪精米歩合≫

70%以下・・・特別本醸造・本醸造酒

60%以下・・・吟醸酒純米吟醸

50%以下・・・大吟醸酒純米大吟醸酒ちなみに、削れば削るほどお米本来の味、というよりも淡麗な味わいになるので、削る=いいお酒ではなく、人それぞれのお好みですね。

 

ポイント3.生酒・生詰・生貯蔵酒などなど

日本酒はしぼったあと、こうじ菌の働きを止めて味を安定させるため、火入れをして貯蔵します。

じっくり寝かせた後、瓶詰の前にもう一度火入れをして殺菌し、出荷後も味が変わらないようにします。

・生酒→一度も火入れしない。どんどん味が変化するので、変化を楽しめるお酒。

・生貯蔵酒→貯蔵する前は火入れしない。瓶詰前に1度火入れをする。うまみがどんどん増していく。

生詰酒→火入れして貯蔵し、瓶詰のときは火入れしない。まろやかなお味。

 

これらは、「火入れ」をする、しないの貯蔵の話ですが、どれも“フレッシュさ”をアピールした用語です。

ちなみに“無ろ過”はNon-Filterの意味。お米本来の味わいを楽しめます。

 

ポイント4.吟醸ってなに?

最後に、よく耳にする「大吟醸・吟醸」についてです!

“吟醸”というのは、“吟醸造り”のことで、低温でじっくりゆっくり発酵させます。

すると、お酒から不思議なことに、りんごやバナナに例えられる「吟醸香」という香りが感じられるようになります。

 

米・米こうじだけでできていて、吟醸造りであれば、「純米吟醸」、精米歩合が50%以上になれば「純米大吟醸」、

醸造アルコールが入ると、「吟醸酒」、精米歩合が50%以下になると「大吟醸酒」です。

 

日本酒をさらに楽しもう!

漢字だらけで、なんだかよく分からない印象の日本酒も、知れば知るほど自分の好みが発見できて、楽しいですよ!

日本酒はお料理を引き立てる、名脇役!

最近はスリムな500㎖などのサイズも増えてきていますし、ぜひ、いろいろ飲み比べて季節の移ろいを感じながら、お料理と味わってみませんか。

日本酒は日本の気候、文化のなかで醸成されてきたので、私たちの口や体によくなじみます。

ぜひ、自分好みの日本酒を見つけてみましょう。

 

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