【モンテ】後半着火、大宮に2-0

PO2回戦進出、徳島と8日アウェー

©株式会社山形新聞社

〈大宮-山形〉後半、ドリブルで攻め入る山形のFW坂元達裕(27)。鋭くゴールに迫り、相手のオウンゴールにつなげた=さいたま市・NACK5スタジアム大宮

 サッカーのJ1参入プレーオフ(PO)1回戦は1日、各地で2試合が行われた。J2年間順位6位のモンテディオ山形はさいたま市のNACK5スタジアム大宮で同3位の大宮と対戦し、2―0で勝利した。

 山形はリーグ最終節から先発2人を変更し、DF熊本雄太、FW井出遥也が入った。前半は互いに決定機はなく、0―0で折り返した。後半28分、FW坂元達裕の左クロスが相手に当たって入り、先制点を奪った。同37分には途中出場のFW山岸祐也が中央への折り返しに右足で合わせて1点を追加。終盤も集中力を切らさず零封した。

 山形はPO2回戦の8日、徳島県鳴門市の鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで、同4位の徳島と戦う。

【評】守備の安定感を取り戻した山形が完封勝利した。相手の攻撃の起点となる外国人選手を徹底マーク。こぼれ球への反応、攻守の切り替えは早く、隙を与えなかった。リーグ戦を含め5試合ぶりの無失点。サインプレーのCKがオウンゴールを呼び、途中出場のFW山岸の追加点も大きかった。

【青炎】OGで先制、山岸で文句なし  リーグ戦終盤の停滞感を一蹴する完勝だ。強固な守備から攻めに転じ、勝負どころで仕留める。ここぞの場面で取り戻した理想形に、FW山岸祐也は「1年間やってきたことがゴールに出た」。一発勝負のレースで好発進を決めた。

 重要視した試合立ち上がりは、指揮官の戦前の予想とは異なった。「相手はもっとアグレッシブに来ると思っていた」。シュート数はゼロで終わったものの、攻守の手応えは十分。ただ、引き分けでは道は閉ざされる。木山隆之監督が「全てを懸けて勝ちにいこう」と送り出した後半、一気にギアが上がった。

 つかんだ流れを手放すまいと、切り札として山岸らを投入。最後の交代カードを考えていた矢先の後半28分、左CKでサインプレーを試みた。スルーパスで裏に抜けたFW坂元達裕の鋭い左クロスがオウンゴールにつながり先制。一度は副審がオフサイドの合図を送ったが、2分間の協議を経て認められた。準備が実を結び、優位に立った。

 そして、攻めの姿勢を貫いた。「1点を取ったとしても守りに入らない」(MF柳貴博)。試合前に意思を統一し、ピッチ上でも徹底した。守備への意識を保ちながらも、続けて前に足を進めた。同37分、右から柳の逆サイドへのロングボールをMF山田拓巳が頭で折り返し、「動き直しDFの間を走り込めた」という山岸が右足で押し込んだ。第41節のハットトリックに続く大仕事。「(相手を)黙らせる」には十分な追加点だった。

 完敗した第39節の水戸戦以降、歯車がかみ合わない場面は見られたが、この試合は違った。90分間のプレーで自信を取り戻し、結果が伴った。挑戦者として臨む厳しい道のりの初陣、意味ある1勝に違いない。

【スポット】守備陣も体張った  ○…長身の外国人選手を擁する相手に、守備陣は気後れせず、徹底的に体をぶつけた。「ファウルも覚悟していた」とDF栗山直樹。的確なカバーと連動し、達成感のある完封を呼び込んだ。

 相手に引き分けでも勝者となるアドバンテージがあり、先行を許せば苦しい戦いになった。大宮は199センチのFWロビン・シモビッチを先発出場させ、ロングボールを供給。栗山が何度も競り合い、ともにDFの熊本雄太、松本怜大の最終ライン、ボランチがこぼれ球に詰めてボールを回収した。セットプレーでは時には2人掛かりのマークも。気迫を前面に出して封じた。

 リーグ戦の最終4試合は計10失点を喫したが、一転して持ち味とする堅守ぶりを発揮。全体の復調を印象づけ、松本は「次につながる」と充実感をにじませた。

「後半勝負」共有できていた  木山隆之(たかし)監督の話 (大宮は)アドバンテージを持っている分、われわれにボールを持たせて守備から入ってきた。前半はスコアレスでも、後半に勝負していくことは共有できていた。遠い場所に足を運んでくれたサポーターも後押ししてくれた。次もアウェーで強い相手に向かっていくが、全力で戦いたい。

【選手ひと言】  ▽GK櫛引政敏(無失点に貢献) 相手のパワープレーに対してもいい準備ができた。サポーターの後押しもあり、いい集中力で戦えた。

 ▽FW坂元達裕 多くのサポーターが駆け付けてくれたので気持ちが高ぶった。自分たちらしさを出せた試合。次も一丸となって戦うだけだ。

 ▽MF山田拓巳(2点目をアシスト) 相手守備のウイークポイントを突くことができた。無失点で折り返せばチャンスはあると思っていた。

〈大宮-山形〉前半、山形のDF熊本雄太(右)が大宮のFWロビン・シモビッチと競り合いボールを持たせず