うその供述させた弁護士に懲役2年求刑

横浜地裁

 無免許運転で死亡事故を起こした男に虚偽の供述をさせて、車の所有者に罪が及ばないようにしたとして、犯人隠避教唆の罪に問われた弁護士の男(33)=横浜市神奈川区、第二東京弁護士会=の論告求刑公判が2日、横浜地裁(田村政喜裁判長)であった。検察側は「極めて巧妙な手口で悪質」とし、懲役2年を求刑した。判決は2020年2月3日に言い渡される。

 検察側は論告で、逮捕を免れたいと考えた車の所有者から相談を受け、被告が虚偽のストーリーを作り、主導的な役割を果たしたと指摘。虚偽の供述を記載した書面を作って所有者や事故を起こした男ら共犯者と口裏を合わせたとし、「安易に違法行為に及んだ」と非難した。

 弁護側は、実際に主導的な役割を果たしたのは所有者で、被告に責任を転嫁しようとしていると反論。共犯者らの供述の信用性を否定した上で、「有罪に足る証拠はない」とし、改めて無罪を主張した。

 起訴状などによると、被告は車の所有者の男(27)=同罪で執行猶予付き有罪判決が確定=らと共謀し、事故を起こした男(23)=犯人隠避罪で実刑判決が確定=に「勝手に車を持ち出した」などと虚偽の供述をするよう依頼。無免許と知りながら運転させていた所有者に責任が及ばないようにした、とされる。事故は16年5月12日夜、同市泉区の県道で発生。車が道路脇の電柱に衝突し、助手席の男性=当時(18)=が死亡した。

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