メモリード「道具屋」買収 ホテル事業 今後は婚礼強化

メモリードが買収し、諫早観光ホテル道具屋から名称変更した「ホテルフラッグス諫早」=長崎県諫早市金谷町

 冠婚葬祭大手メモリード(総合本部・長崎県西彼長与町)は2日、創業91年の諫早観光ホテル道具屋(長崎県諫早市)の事業を買収した。3日から「ホテルフラッグス諫早」の新名称で営業を開始し、今後は婚礼や宴会に注力していく。

 道具屋は1928(昭和3)年創業。1990年の全国植樹祭で天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)が宿泊された。代理人弁護士によると、近年は施設の老朽化などで婚礼利用が減り、熊本地震後に宿泊も減少。ピーク時に10億円程度あった売上高は半減。赤字経営が続き、金融機関と協議し譲渡先を探していた。

 メモリードによると、敷地は約5400平方メートル、建物は鉄筋4階建て約9300平方メートル。客室数65。運営会社の諫早観光ホテル(藤原貞明社長)から土地建物を譲り受ける売買契約を2日に締結した。買収額は非公表。従業員43人(パート・アルバイトを含む)は解雇し、うち希望者28人を再雇用した。諫早観光ホテルは特別清算を裁判所に申し立てる方針。

 メモリードは来年春、ロビーやバンケットの改装を予定。宿泊利用を絞る一方、同秋にはチャペルの新設を計画し、婚礼や宴会の利用を伸ばしていく構えだ。

 吉田昌敬メモリード社長は取材に「由緒があり、多くの人が集う諫早の“顔”のような場所。弊社のノウハウを生かし、諫早の活性化に貢献したい」と決意を述べた。

 九州におけるメモリードのホテル運営は9市で計12カ所目。このうち「フラッグス」ブランドは、佐世保市に2014年オープンさせた「九十九島ベイサイドホテル&リゾートフラッグス」に続き、既存施設を買い取ってリニューアルし「地域の旗印」を目指す。

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