越冬カラスのふん害深刻 熊本市中心街に大群で飛来、ねぐらに 有効な対策へ生態調査

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夕方、オフィス街の上空を飛び回るカラス。多くはミヤマガラスとみられる=11月22日、熊本市中央区(小野宏明)
カラスなどのふんで汚れた歩道橋=11月23日、熊本市中央区

 夕暮れの熊本市中心街をカラスの大群が飛び回り、ねぐらとなっている中央区の花畑公園周辺ではふん害をもたらしている。多くは中国大陸や朝鮮半島から越冬のため渡ってくるミヤマガラスとみられ、市は有効な対策を探るため生態調査に乗りだした。

 市によると、市内にはくちばしが太いハシブトガラスと細いハシボソガラスが生息。ミヤマガラスはそれらより小さく、くちばしの付け根が白っぽい。10月下旬に飛来し、2月下旬に飛び立つ。

 中心街で目立ち始めたのは昨年から。日本野鳥の会県支部の原口研治事務局長(66)は「市内に飛来するミヤマガラスは20年前から崇城大近くの竹やぶをねぐらにしている。その一部が街中に出てきたようだ」とみる。

 日中、ミヤマガラスは郊外で落ち穂を食べ、夕方になると中心街の街路樹や電線に戻ってくる。このため市役所近くの歩道橋や花畑公園がふんで汚れ、市には昨年度、「どうにかしてほしい」「ふんがひどく、観光によくない」などの苦情が12件寄せられた。

 「カラス博士」として知られる東都大(千葉市)の杉田昭栄教授(67)の話では、国内に飛来するミヤマガラスは年々増え、分布も九州や日本海側から全国に拡大している。

 このうち佐賀市ではミヤマガラスの“都市化”が問題となり、市による昨年2月の調査では中心街で1万羽以上を確認した。樹木にテグス(糸)を仕掛けたり、電線をLEDライトで照らしたりする対策を講じても解決に至らないという。

 熊本市は本年度、ねぐらや餌場、行動範囲などの生態調査を佐賀大に、飛来数の調査を日本野鳥の会県支部にそれぞれ依頼。市鳥獣対策室は「実態把握や他都市の対策を研究しながら、効果的な対策を見いだしたい」としている。(都市圏部・久保田尚之)

(2019年12月3日付 熊本日日新聞朝刊掲載)