こがんひとこがんとこ VOL.18

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◆命の輝きを見つめて
老犬介護ホーム アスル代表 小野洋子(おのようこ)さん

「最後の最後までいっしょに笑って暮らしたい。」犬とともに飼い主も年を重ね、そんな思いが現実と乖離して、世話をし支えるのが難しくなったとき、老犬の介護ホームという選択肢が存在する。

「老犬介護ホームアスル」
代表の小野洋子さんは、動物保護活動、セラピードッグ活動、東日本大震災での動物保護活動を経て、約20年間老犬介護ホームで高齢犬ケアに従事した後アスルを立ち上げた。
夜鳴き・徘徊・認知症・寝たきり・立ち上がり困難・介助などが必要になった老齢犬専門の介護ホームだ。古民家を改装した一軒家の部屋やドッグランを、犬たちは思い思いに歩き回りお互いを思いやり穏やかな時間を過ごす。歩けない状態で入居した後、歩行機能を回復した例も珍しくないとか。小野さんは「こっち側にもう少し負荷をかけたほうが良い」など歩行介助のポイントが即座に判断できるのだ。小野さんの娘には生まれもっての難病があり、歩行介助や車椅子、リハビリが必要だった。長年の子育て経験から、犬の介助ポイントが分かるようになったのだそうだ。

毎日画一的ではない手厚い介護を施してもらい、(症状に合わせてそれぞれ食事・リハビリなどが違う)アスルに入所した後もやさぐれることなく、犬たちは人が大好きだ。
小野さんやスタッフにとって飼い主から預かっているのは、“ペット”と呼ぶにはあまりにも“家族”である。

「残りの犬生を、人の温もりのもとで全うさせたい」という小野さんの願いが、最後のその日の1分1秒まで「らしい生活」で満たしてくれる。
命と向き合う尊さを魂に感じながら、諦めず今をどう生きるか、今日をどれだけ楽しむか…深い愛情を持って日々まっすぐに老犬たちに向き合っている。